自民党の山東昭子・元参院副議長が11月21日、党の役員連絡会で「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言したと朝日新聞デジタルが報じた。
この報道を受けて、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏が同日、「女性は『子どもを産む機械』か?!」のタイトルでブログを更新。「あまりにも女性をバカにしている話ではないでしょうか?時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ませんーー久々に腹立ちました」と怒りを表明した。
尾木氏はさらに、22日も同じテーマでブログを更新し、「子ども産んで幸せ感じる社会になって欲しいと切に願います いや子ども産まなくても結婚しなくてもみんなが幸せ感じる社会築きたい 政治家はその先頭に立つのが責務」「表彰なんて発想だけでも批判されるべき」「日本の女性観 やたらとレベル低いのじゃないのかしら?」と批判した。
女性の出産、過剰な奨励には「押し付け」批判も
政治家らが女性に対して出産を義務のように語ったり、過剰に奨励するような発言は「押し付け」や、個人の選択の自由を制限することにつながるとして、これまでもたびたび批判されてきた。
山東氏の発言に対しては、ナチスドイツが4人以上子供を産んだ女性への勲章として「母親十字章」を送っていたことを連想し、Twitter上で「ナチスと同じ発想」などと批判する声が挙がっている。
2007年には柳沢伯夫厚労相(当時)が「女性は子どもを産む機械」と述べて安倍晋三首相が謝罪している。また、2009年には麻生太郎首相(当時)が「(自分は)子どもが2人いるので、最低限の義務は果たした」と発言、批判を浴びて撤回している。
また、2016年には大阪市立中学校の男性校長が「女性にとって最も大切なのは子供を2人以上産むこと。仕事でキャリアを積む以上に価値がある」と発言し批判が殺到、校長は同年度末で退職した。