たった数百のイスを、一万人以上が取り合う声優業界。
2000年代に入り、世界的アニメブームでオタクと言われたジャンルが市民権を獲得しはじめ、声優が身近に感じられるようになったことで専門学校が一気に増加した。
声優志望者は30万~50万人とも目される飽和状態の中、業界は過渡期を迎えている。
1月17日午後10時からの「ハフトーク」では、声優界の生きる"レジェンド"緒方恵美さんが生出演。
1992年に幽☆遊☆白書の「蔵馬」役としてデビューを果たし、エヴァンゲリオンの碇シンジ、カードキャプターさくらの月城雪兎、そしてセーラームーンの天王はるか(セーラーウラヌス)など、名だたるアニメの重要なキャラクターを務めてきた緒方さん。
デビューから常に第一線で活躍を続ける彼女は、今のアニメブームと、声優という仕事の厳しさをどう見ているのか。
声優の仕事ってどう変わった?
90年代まで、声優に会うということはファンにとって至難の業だった。
今のように、声優の写真集がたくさん出ているわけでもない。イベントやライブに声優が出演する機会も限られている印象だったし、大々的なフェスも、ほぼなかった。
役ではなく、声優本人としてテレビでお目にかかることも、少ない。
ラジオを聞き、ファンクラブ会報を心待ちにして、多すぎて読んでもらえるかも分からないファンレターを出していた。
インターネットが整備され始め、極地的と思われていたアニメファンの世界は、一気に押し広げられていった。アニメのテーマソングやキャラソングはポップミュージックとして受け入れられ、ヒットチャートをにぎわすまでになった。
そしてSNSの登場で、一挙に声優という職業をファンが近くに感じられるようになった。
声優自身の思いが、リアルタイムで流れてくる。地上波やライブDVD、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)以外にも、インターネット番組でたくさんのアニメや番組を享受できる。
ただ、この怒涛の時代変遷に巻き込まれるように、声優という職業は変わっていったようにも見える。
仕事の上で、ファンとの交流や「ファンサービス」の比率も大きくなっていった。
声優も映像にセリフを吹き込み、画面越しに声を届ける存在から、自身が露出していく存在になり、イベントやグラビア、バラエティ番組などに出演するようになった。
そんな変化を牽引してきた声優の1人が緒方さんだ。冒頭で紹介したような名だたるアニメの重要キャラクターを務めてきた緒方さんは、率先して「声の仕事」以外に取り組んできたパイオニアでもある。
平成が始まったころと、現在では声優の育成環境や、働く環境はどう違うのか。
いま声優は、ファンとの交流や告知などのためにTwitterのフォロワー数も重要視されている面がある。役のオーディションなどにおいて、Twitterアカウントを開設しているかや、フォロワー数が一つの指標に加えられたり、男女ともにアイドルとしての要素を求められたりすることもある。
声優として生きていくうえで、緒方さんはこうした変化をどう受け止めているのだろうか。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ...」逃れられないSNSの面倒くささ、どう思う?
緒方さんも東日本大震災を機にSNSを始め、積極的に発信している。ただTwitterでは、短い言葉で意図が伝わらず、"炎上"してしまうこともある。
匿名のツールでもあり、攻撃的な声を向けられることも少なくない。社会的な話題に触れたら「政治的なことを話してがっかりした」「勉強したのか」などと言われ、どのようなスタンスを取っていても批判されることがある。
ファンに生の声を伝えられるようになった一方で、時事問題についての率直な意見を言うことの難しさについて、どう考えているのだろうか。
【ニュース番組「NewsX」 1月17日の放送内容(予定)】
・dTVチャンネルにて生放送
・質問やご意見は、「#ハフトーク」でツイートしてください。
ゲスト:緒方恵美さん(声を使う仕事を中心によろずエンタメ屋)
出演者:竹下隆一郎(ハフポスト日本版編集長)、
番組はこちらから。
視聴方法がわからない方はこちらをご参照ください。
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