いま、何かと話題になっている『認定こども園』。
それ何だっけ?という方向けに、内閣府による定義を簡単に記す。
「認定こども園とは、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設です。」
就学へ向けた教育をしてくれる幼稚園。ただし、13時〜14時ごろ降園となる。
主に共働き家庭のため遅くまで預かってくれる保育園。ただし、教育面は手薄い。
そういったそれぞれのメリット・デメリットを複合・解消したものが『認定こども園』だ。
幼稚園や保育園という形のままで、独自にデメリットの解消へ向けて取り組む園もあるが、昨今の共働き家庭の増加により、特に幼稚園は認定こども園へと変わるよう、政府が積極的に促している。
ただ、これがなかなか進まない。理由はどこにあるのか。
「幼稚園はファーストクラス、保育園はエコノミークラスでしょ。客層を混ぜたら品位が乱れる。」
これは、認定こども園の説明が含まれていた園長会のなかで飛び出した発言である。発言者は、関東のある幼稚園の園長。続けてこう発言する。
「エコノミークラスの客を入れるくらいなら、このまま幼稚園ごと潰れた方がマシ。」
先述の通り、柔軟な思考をもち独自にデメリットの解消へ向けて、積極的に取り組んでいる園もある。その一方で、こういった考えを持つ経営者や園長も一定数いるのが現実だ。
ここ数年間で、認定こども園へと形を変えたところも含め、全国2,000以上の幼稚園が無くなっている。
少子化が進む今、幼稚園・保育園、そして認定こども園の戦国時代は、これから更に激化していく可能性が高い。
幼稚園だけではない。保育園もいまの在り方のままで胡座をかいていると、あっという間に状況が変わっていく。しかしながら、この業界でそういった危機感をもっている人間は少ない。
誰のための教育なのか。何のための保育なのか。
ここを改めてよく考えてもらいたい。そして、それを考えられない園は自然と淘汰されていくことだろうと思う。