美しい曖昧カラー、「ニュアンスカラー」ってどんな色?

その魅力と使い方を、含まれる色味別に解説します。

ニュアンスのある表情で、インテリアのベースカラーを中心に人気の高いグレイッシュな曖昧色。その魅力と使い方を、含まれる色味別に解説します。

インテリアのベースカラーをはじめ、住まいを彩る色として幅広く使われ、またファッションやネイルなど身のまわり、暮らしまわりの色としても人気のある「ニュアンスカラー」。

でも、実際はいったいどのような色を指すのかよくわからないという声も聞きます。

今回はそんなインテリアのニュアンスカラーについて、含まれる色味ごとに、その個性と適した空間をご紹介します。

Houzz | Huniford Design Studio

彩度の低い、境目の微妙な「曖昧」色

色だけでなく、音色や言葉の微妙な差異を表す「ニュアンス」という言葉。その意味のとおり、ニュアンスカラーは曖昧でぼんやりした色のことです。

紫がかって見えたり、グレーのようにも見えたり......。一目見ただけでは、その色をなんと呼んでいいのかわかりにくいのが特徴。それは、ニュアンスカラーと呼ばれる色たちが、等しく「彩度が低い」色であることと関係しています。

Houzz | リフォームプライス・ホームテック株式会社

わずかな色味を感じるグレイッシュトーン

ニュアンスカラーは、色の鮮やかさが極端に低いため、グレーに近い色ともいえます。そのため、グレーがもつシックで洗練された印象も感じさせることも特徴のひとつ。

また、グループとしてはグレイッシュトーンに含まれる色が多いですが、モノトーンのグレーではなく、若干でも色味を感じるのがニュアンスカラーです。

写真の壁の、ウォームグレーともベージュともつかない曖昧色は、ニュアンスカラーの代表格とも言えるグレージュ。なかでも明るめのグレージュは、ベージュに代わるスマートな人気定番色として、あらゆる部屋に使いやすく、大活躍してくれます。

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グリーン系ニュアンスカラー

先程述べたように、ニュアンスカラーは全体的にスモーキーでグレイッシュな色合いですが、彩度がまったくない「無彩色」ではありません。わずかながら、色味を感じる色が多くあります。

インテリアカラーの中でも人気の高いグリーン系は、ニュアンスカラーになると写真のようなトーンに。

緑がもつ親しげな表情はそのままに、グレイッシュで落ち着きのある色調になるので、大人っぽい雰囲気がプラスされます。

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ピンク系ニュアンスカラー

こちらの例は、ピンクベージュのニュアンスカラー。彩度が低めのニュアンスカラーのピンクは、可愛らしさというよりも、包み込まれるような優しさや穏やかさ、愛情を感じさせる空間を演出してくれます。

赤みのベージュのような色合いなら、リビングなどの広い部屋も合いますし、グループとしては暖色系なので、食欲を増進する作用も期待でき、ダイニングに取り入れるのも向いています。

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ブルー系ニュアンスカラー

ブルーグレーも非常に人気の高いニュアンスカラーのひとつです。壁や天井などのベースカラーとしても最適ですし、写真のように家具に使ってもいいでしょう。

オレンジやブラウンの色味を感じるカッパー素材のアイテムと合わせれば、お互いを引き立てて美しいシーンをつくります。

ブルーグレーは、使う場所に少しだけ注意が必要です。北向きの部屋や日陰にを使うと、昼間でもほぼ単調なグレーに見えてしまいますが、陽のよく当たる場所に配すると、この色がもつ、さわやかでいてシックな個性をより楽しめます。

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Houzz | 株式会社 高匠

イエロー系ニュアンスカラー

写真の壁は、明るめのイエローを少しくすませたベージュ。

麦わら帽子などに使われるストロー素材のような色味の、イエロー系のニュアンスカラーです。インテリアの定番色としてホワイトと同じくらい、いろいろな場所で使われています。

誰にとってもストレスを与えにくい色なので、お客様を通すリビングや玄関にもってこいのニュアンスカラー。どんな色とも合わせられ、また狭さを感じさせにくいので、部屋と部屋をつなぐ廊下や階段にもおすすめです。

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自然素材のニュアンスカラー

モルタルや石材、木材をはじめとした自然素材は、単純な色ではなく、実はさまざまなニュアンスカラーを含む素材です。

使用する各素材の断面によっても表情が変わるため、石材や木材などは、カット面を互い違いに組み合わせるだけで、繊細で自然なニュアンスカラーのコーディネートを楽しめます。

こうした色合いは、空間にナチュラルで優しく居心地よい印象を与えてくれます。

Houzz | 京都の建築家 森田一弥建築設計事務所

和テイストとも相性抜群

昔から日本人に愛されてきた和室の自然素材にも、ニュアンスカラーはよく見られます。土壁やスサの混ざった漆喰、そして畳の独特の曖昧な色味は、部屋と屋外の景色の境界線を上手につないでくれます。

また、日本人の美意識でもある「わび・さび」を表現する際にも、ニュアンスカラーが使われている事例が多く見られますね。慎ましやかでいて表情豊かな色合いが、日本人の感性に響くのでしょう。

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ニュアンスカラーの上手な使い方

インテリアに取り入れやすいニュアンスカラーですが、曖昧な色を多用すると個性が薄まり、空間としての締まりがなくなってしまう可能性も。

この場合、白や黒、ダークグレーなどのはっきりとしたモノトーンの色を加えて、空間を引き締める方法があります。

めりはりのある無彩色と組み合わせることで、ベースとなるニュアンスカラーの色味が引き立ちます。使用したモノトーン自体の明快な印象も際立ち、空間をバランスよくまとめてくれるでしょう。

Houzz | La petite Olga

モノトーン以外では、はっきりした原色や鮮やかな色もまた、ニュアンスカラーの空間を引き締める最適な色です。写真のように、花や鉢植え、クッションなどの小さな部分にアクセントとして取り入れると、明快な色と曖昧な色のコントラストが双方の魅力を引き立てます。

みなさんの使ってみたいニュアンスカラーはありましたか? 彩度が低いので、単色で見ると物足りなさを感じるかもしれませんが、インテリアに非常に使いやすい優秀な色が揃っています。白やベージュに代わる定番色として、ぜひ注目してみてください。

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