3月29日、日本プロ野球がついに開幕する。
2018年11月に日本シリーズが終わって以来、ぽっかり空いた夕方から夜の時間。「ほぼ毎日野球がある有り難さ」が身に沁みていたプロ野球ファンたちに、待ち焦がれていたシーズンが到来する。
2019年も、覇権の行方を左右するのが新戦力の存在だ。春季キャンプからオープン戦にかけてアピールに成功した各球団の選手を紹介したい。
■小園海斗が開幕1軍 村上宗隆にかかる新人王の期待
高校では18歳以下の日本代表の常連。俊足や軽い身のこなしを活かした守備も魅力だが、オープン戦では2本塁打と新人離れした活躍を見せた。
高卒ショートでは中日・根尾昂内野手(大阪桐蔭)の話題が先行しがちだが、シーズンが終わった時には小園が話題を独占している可能性もある。
ヤクルトの2年目・村上宗隆内野手には新人王の期待もかかる。熊本・九州学院高では通算52本塁打を記録した左の大砲で、1年目の昨季は2軍で17本のホームランを放った。さらに1軍初打席ではライトへ弾丸ライナーのホームランを叩き込む離れ業を成し遂げた。
3月24日では日本ハムの左腕・藤岡の変化球をライトスタンドへ。左ピッチャーも苦にしない姿を印象付けた。
2019年のオープン戦では、豪快な引っ張りもさることながら、逆方向へも長打を放つなど活躍し、開幕スタメンの座を手にした。
ヤクルトにはもう1人期待の若手がいる。オープン戦12盗塁で12球団トップだった塩見泰隆外野手だ。社会人野球から入団し2年目の今季はオープン戦で打率.385(2位)、2本塁打とアピールに成功。大学時代、昼休みにイノシシを追いかけ回していたという俊足も注目を集めた。
しかし、ヤクルトの外野はメジャーリーグを経験した青木宣親外野手や、バレンティン外野手など実績豊富なベテランが多く、どれだけ出場機会が得られるかは未知数だ。
■オールドルーキーに「台湾の大王」も
パリーグではオールドルーキー・奥村政稔投手(三菱日立パワーシステムズ)が開幕1軍を決めた。奥村は大学を中退した後、社会人野球へ。150キロを超える直球をどんどんストライクゾーンに投げ込むスタイルで活躍したが、所属していたチームは休部。移籍先のチームでの投球が評価され、26歳にしてようやくプロの扉を開いた。
千葉ロッテファンの期待を背負うのはドラフト1位・藤原恭大外野手(大阪桐蔭)だ。大阪桐蔭では1番や4番を打ち甲子園を春夏連覇。オープン戦では打率.219ながら、50メートル5秒7という圧倒的なスピードをいかした守備でアピールに成功し、開幕1軍を手中にした。
2019年シーズンを盛り上げてくれる新戦力たち。彼らの活躍も期待大だが、注目されていなかった選手がまさかの「覚醒」を果たすのもプロ野球の楽しみだ。一体どんなニュースターが誕生するのか、開幕戦から目が離せない。