災害時の備えとして備蓄品としても推奨されているカセットボンベ。しかし、長期間保管されたものは、ガス漏れが発生する可能性がある。
1月1日に発生した「能登半島地震」を受け、国民生活センターが「製造日が7年を超える古いものは使用しないで」と呼びかけている。
ガス漏れ→引火も
カセットコンロの燃料として使用されるカセットボンベは、便利で手軽に持ち運べるため、防災対策の日常備蓄品としても推奨されている。ボンベの先端を押し込むことで充填されているガスが噴出する仕組みで、気密性を保つためにパッキンが内部に取り付けられている。
しかし、製造から長期間経過したり、保管環境が悪かったりすると、このパッキンが硬くなって機密性を保てなくなり、ガス漏れが発生する。この状態でボンベをカセットコンロに取り付けて点火すると、ボンベから漏れたガスに引火して炎が上がってしまう危険性がある。
全国の消費生活センターなどには2014年4月〜19年10月、ボンベに関する相談が283件あり、そのうち64件がガス漏れに関するものだった。
気をつけるべきことは
では、どのくらい長期保管されたカセットボンベが危険なのか。
国民生活センターがテストをしたところ、16年以上保管されていたカセットボンベは本先端の根元付近からガス漏れが発生。保管期間が5年程度であっても、屋外で保管されて金属部が錆び付いていたボンベはガス漏れが生じたという。
一方、屋内で正しく保管されていた2年未満のボンベは外観に変色などはなく、ガス漏れもなかった。
国内の製造事業者は2013年10月1日以降、カセットボンベの底に製造時期を統一された方法で表示しなければならなくなった。目安の使用期限は「7年」と書いてある商品もあるという。
災害時、電気やガスが止まった場合、レトルトの保存食など温かい食事をとる際にカセットコンロとボンベを使用する機会もある。
同センターは、製造日が7年を超えたり、変形や錆びのあったりするボンベのほか、製造年月日がわからないものは使用しないよう呼びかけている。