アクセンチュアに中途入社し、約3年でアソシエイト・マネジャー(*)に抜擢されたLiu.Xさん。「お客様先のビジネスの責任者たちと肩を並べ、経営課題を解決していく。年齢や性別に関係なく、プロジェクトの場数を踏ませてもらえます」とアクセンチュアの環境について語る。さらに2018年には結婚し、公私共に充実した日々を送る。そこには、彼女の「仕事で高い成果を出し、私生活も妥協しない」というスタンスがあったーー。
ビジネスの責任者と対話し、経営課題を解決へ
売上高396 US億ドル、世界52ヵ国、200都市で展開する世界最大規模のコンサルティングファーム。それがアクセンチュアだ。
通信、公共、航空宇宙・防衛、メディア・エンタメ、インターネット、さらに政府・自治体・教育機関など、多岐にわたる産業にソリューションを提供する。
「日々対話していくのは経営のトップ層やビジネスの責任者たち。ビジョンや事業構想、戦略から伺い、提言していく機会も多いです」
こう語ってくれたのが、Liu.Xさん。SIerからアクセンチュアに中途入社。テクノロジーコンサルタントとして存在感を発揮してきた。
「私が専門としているのがインターネットやテクノロジーの領域。とくに“システム”という観点から経営課題を解決しています」
その高いパフォーマンスが評価され、アソシエイト・マネジャーにトップクラスのスピードで抜擢。次世代を担う逸材として期待を集めている。
「いかに限られた時間で、高い成果へと結びつけるか」
彼女の「妥協をしない仕事へのスタンス」から、アクセンチュアで活躍する人材の条件が見えてきたーー。
年齢は、関係ない
国立大学院を卒業後、国内大手SIerからアクセンチュアへ。その転職動機について彼女は率直に語ってくれた。
「チャンスが少なく、なかなか挑戦の機会を得ることが出来ていなかったというのが正直なところです。日本国内の大手企業ということもあり、経験豊富な年配者たちがプロジェクトの主導権を握ることが多くありました。また、女性社員は2割くらいで、ほぼ男性中心という環境でした」
そこにあったのは、彼女なりの危機感だ。
「このままでは私自身の成長が鈍化してしまう。とくに経営層と直接やり取りを行い、ソリューションを提供できるような環境を求めていました。最前線で挑戦したい。自分の知識が増えるほど、もっと力をつけたいと考えるようになりました」
そして選んだ環境が「アクセンチュア」だ。
「年齢や性別、国籍は一切関係がない。クライアントも“いかに事業を成功させるか”をアクセンチュアに期待しています。だからこそ率直な意見や要望をぶつけてきてくれます。どのようにゴールへと到達するのか。やり方は個々に任されている。こういった環境が私に合っていたと思います」
とくに同社で過ごす時間は「濃い」という。
「アクセンチュアで過ごす時間はすごく“濃い”んですよね。同じ1年でも、体感として3倍成長出来ているイメージがあります。それは、事業の成長性、システムの実現性、費用対効果などを細かく分析し、クライアントの事業に入り込んだ提案ができるから。ときには施策に対して「やらないべき」と直談判することもあります」
もちろん事業を成功へと導くためにはいくつもの壁がある。ただ、その困難さえも彼女は「エキサイティング」だと語る。
「もちろん綿密に計画を立てても予測できないことはある。さらにプロジェクトが変われば、クライアントの業態も、サービスも何もかも違う。だからこそヒリヒリ仕事できるのが楽しいですし、エキサイティングなんですよね」
そして現在、彼女は国内大手Web企業を担当し、決済システムプロジェクトを率いている。
残業はしない。限られた時間だからこそ「質」で勝負
彼女が社内外から高く評価されるのは、限られた時間で成果を出す、高いパフォーマンスだ。同社では原則、18時以降の会議は禁止。その他にも、会社として生産性を高め、働き方を改革するための様々な工夫がなされる中で、よいロールモデルとなっている。
・在宅勤務制度の全社展開
・フレックスタイム制度
・PRIDE Tool Box(生産性向上に繋がるツールやコツを提供)
・グローバルの社員の知見と事例が集積されたデータベースの活用促進
・生産性の高い社員に、より報いるための給与制度の改定
・フルタイムワーク以外の働き方(短時間勤務や週3日、4日といった短日勤務を選べる。育児や介護、ボランティア活動への参加の際に利用可能)
「成果を出せれば、働き方は個人の裁量。ある意味シビアですが、ある意味、フラットでわかりやすい。合理的で、本質的。純粋に仕事の成果で評価されるということだし、フェアですよね。さらに過去のプロジェクトでうまくいっても、次も同じやり方で通用するとは限らない。それが仕事をしていて面白いと感じるところです」
いつ、どこに時間を割くべきか。たとえばリスクを減らすためにも、あらゆる手を打っていく。
「エンジニアの様子に目を配る、話しやすい関係性を作っておく。それに、同じチームじゃなくてもプロジェクトで関わる人が作った共有ファイルがあれば、時間をとって目を通します。そこから今後の流れや展開が読めてくる時もあるんです。そうすれば万が一何かあった時もすぐに自分が動けますよね。自分の動き方次第で、成果が大きく変わるということを学べました。そしてその結果、クライアントから直接評価をしてもらえる。仕事をする中で大きなモチベーションとなっています」
「効率化」や「高い生産性」が求められるアクセンチュア。クライアントの組織変革を支援する立場である同社も、自身の社内変革を進める。
「体力勝負という考え方自体、もう古いものだと感じています。実際に私も定時で帰っているし、周りにも、家庭のことや育児をしながら、時短で働く女性マネジャーもいる。男性も半年、1年と育休を取るのが当たり前になってきている。それに休職してMBAを取る人も。自分で働き方を選択し、自分のスタイルでキャリアを築く人たちが大勢いるんです。出産したりとか、仕事を休んだりしても戻って来れる。日本ではまだまだ珍しい先進的な会社だと感じています。だからこそ、私も入社後に結婚しても、仕事への考え方を変えずに働けるのかもしれません」
「できない自分」との出会いに燃える
取材の終盤、伺えたのが、彼女のキャリア観について。
「仕事では“できない自分”と出会うことも多い。そうするとすごく悔しいんですよね。だからこそ、燃えるし、クリアしたい。また、机上の空論では意味がありません。何よりも最前線で開発も取り仕切っていきたい。だからこそ、今は目の前の仕事に全力で取り組み、もっとできることを増やす。コンサルティングを究めていきたい。それが、自分のキャリアを築く上での土台になると思います」
そこにあるのは高い成長意欲、そして彼女自身の信念だ。
「私は仕事が好きなんだと思います。仕事を通して、お客様や事業、企業そのもののあり方を変えていける。これは誇るべきことだと捉えています。そしてその先に、どれだけ世の中に価値をもたらせるか。世の中をよくできるか。ここが自分の市場価値につながると思うし、自分自身の人生を豊かにしてくれると信じている。だからこそ、もっといろいろな経験をたくさん積んでいければと考えています」