ワールドカップ・ロシア大会の開幕まで約2カ月となった4月9日、日本代表の監督が交代する。バヒド・ハリルホジッチ監督が解任され、日本協会の西野朗技術委員長(63)の新監督就任が決まった。日本サッカー協会の田嶋幸三会長が会見し、発表した。
西野朗とは?
監督・西野朗といえば、サッカーファンが真っ先に思い出すのは、1996年のアトランタオリンピックだ。鋭いドリブルで一世を風靡した前園真聖をキャプテンに据えたチームは、28年ぶりの本大会出場を果たす。
その初戦は当時、最強と謳われたブラジル代表だった。誰もが大敗を覚悟した中、日本はGK川口能活を中心に守り抜き、中田英寿、前園らが少ないチャンスを狙った。
圧倒的なブラジルペースで進む後半、日本がワンチャンスをものにして1点を先制した。そして、守りきって勝利を収めた。西野監督はサッカー史に残るジャイアントキリングを達成した監督としてその名を刻んだ。
Jリーグの監督としても活躍
その後、柏レイソルの監督に就任。柏で初タイトルをもたらすなど優勝争いができるチームに成長させた。
そして、2002年から2011年までガンバ大阪の監督に就任する。タイトル争いに縁が無かったガンバを優勝争いの常連へと成長させる。アジアの舞台でも活躍し、ACLを制覇したのも西野時代だ。
何よりサポーターを魅了したのが「超攻撃」と称されたスタイルだった。守りを固めて逃げ切るのではなく、まず攻撃を優先し、徹底的に攻めるサッカーを展開した。
その後監督を務めた神戸、名古屋では目に見えた結果を残せず、短期間でチームを去ることになったが、その経験値はJリーグの監督経験者のなかでも屈指と言えるだろう。
「監督業」について、こう語っていた
サッカーサイト「フットボールチャンネル」のインタビューで西野はこう語っている。
「悪い言い方だけど、監督業っていうのはドラッグ性がある。麻薬なんだよ。いつもプレッシャーを感じて、逃げたいと思うような時もある。でもいざ離れてみるとね...」
Jリーグ時代から代表監督待望論もあった西野が、離れていた監督業、それも緊急就任でどのような采配を振るうのか。その手腕が注目される。