トランスジェンダー選手がパリ五輪陸上女子1500m米代表に「LGBTのみんなが引っ張ってくれた」

オリンピックへの切符を初めて手にしたニッキー・ヒルツ選手。プライド月間の最終日に選考会で優勝し「コミュニティのために走りたかった」と語った
選考会の女子1500メートル決勝でフィニッシュラインを通過して喜ぶニッキー・ヒルツ選手(2024年6月30日)
選考会の女子1500メートル決勝でフィニッシュラインを通過して喜ぶニッキー・ヒルツ選手(2024年6月30日)
Patrick Smith via Getty Images

パリオリンピックの陸上女子1500メートル・アメリカ代表に、トランスジェンダーでノンバイナリーのニッキ・ヒルツ選手が選ばれた。

ヒルツ選手は6月30日にオレゴン州で開かれたレースで、選考会記録を上回る3分55秒33を記録して優勝。代表選手に選ばれた。

初めてのオリンピック出場に、ヒルツ選手は「子どもの頃の夢が叶った」と喜びをインスタグラムに投稿。支えてくれた人たちへの感謝を伝えた。

また、NBCのインタビューで「これは私一人だけで成し遂げたことではない」と語っている。

「今日はプライド月間の最終日でした。私はコミュニティのために走りたかった。LGBT当事者のみんなが、最後の100メートルを引っ張ってくれました。愛とサポートを感じました」

IOC(国際オリンピック委員会)は2021年、トランスジェンダー選手の出場資格について、各競技を統括する国際的な連盟に委ねるとする方針を発表した。

世界陸連は2023年に、男子として思春期を過ごしたトランスジェンダー選手の女子カテゴリーへの参加を禁止したが、自身の性自認や性表現を「女性」「男性」の枠組みに当てはめないノンバイナリーである選手についての規則は定められていない。

一般的に、出生時の性別を女性と割り当てられたノンバイナリー競技者は、ホルモン療法を受けていなければ、女性カテゴリーでの出場が認められている。

2021年の東京オリンピックでは、ノンバイナリーを公表しているカナダのクィン選手が、サッカー女子代表選手として出場している。

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