多くの学生が経験する「就職活動」。そこで1つの鍵となるのが「情報収集」だ。大手経営コンサルティング会社やメーカーに内定をもらった大学生たちは、どのように情報収集をし、就活を成功させたのか。巷でいわれるように新聞は読んだほうがいいのか? 面接やグループディスカッションで役立つならば、その読み方は?
春から新社会人となる現役大学生3人が、日経電子版(日経新聞)などを活用した就活における情報収集と取捨選択のコツを話し合った。
■就活を始めた時期や活動内容は?
佐藤:私が就活を始めたのは、3年生の6月です。まずは、志望業界も特にないまま就活サイトに登録し、IT、メーカーなど幅広くインターンに応募しました。その後、いくつかのインターンを経て、8月頃にはコンサル志望に固まりました。理由は、倫理学を学んでいたこともあり、議論が好きだから。議論によって課題解決の方法を探るプロセスが、コンサルの仕事にもつながると感じたんです。
中野:私も3年生の6月頃、就活サイトに登録しました。最初は日系の大手メーカーを中心に考えていました。とはいえ就活中の2月、先輩のすすめで受けたコンサルティング会社から、まず内定をいただいたんです。その後、3月からメーカーにエントリーをして、6月末までにプラス2社内定。結局悩みつつ、最初に内定したコンサルティング会社への入社を決めました。
春山:僕も3年生の6月頃、就活サイトに登録しました。就職先の希望は最初から「海外で働ける会社」の一点。子どもの頃に海外経験があり、「もう一度行きたい」という思いが強かったんです。業種は「汎用的スキルを身につけられるコンサルがいいかな」と思っていました。でも、情報収集する中で「海外に行くならメーカー」と実感し、志望を変えました。結果、4月にメーカー1社から内定をもらって、就活を終えました。
■就活の情報収集の方法は? 新聞は読む? 読まない?
佐藤:就活サイトやアプリ、日経電子版など、インターネットでの情報収集が中心でした。膨大な情報から主要ニュースを効率よく読むため、全国紙の1、2面も読んでいました。
中野:私も就活サイトを見て、興味を持った業種や会社を日経電子版やニュースアプリなどインターネットで調べていました。会社の雰囲気を知るために、クチコミサイトもよく利用しましたね。新聞は時事的な話題を知るために目を通していました。
春山:僕は就活サイトの中でも、外資就活のサイトをよく見ていました。あとは、隙間時間に日経電子版のアプリで、企業情報を読んでいました。教授のすすめで経済の動向を知るべく、日経平均、NYダウ、ドル円を毎日チェックするようにもなりました。
■就活に日経電子版(日経新聞)をどう活用した?
佐藤:私は、日経電子版を大学2年生から授業のため購読していました。就活時は、現場の社員の方に近い視野を持つのに、「ビジネス関連の事例記事」が役立ちましたね。
私が志望していたコンサルタントは、特にビジネスの「アウトプット」を見通すことが重要です。たとえば「製造業の老舗がチャットツールを導入し、意思決定のスピードを4倍にアップさせた」という記事を読んで、「クライアントはこういう成果を期待して依頼をしてくるんだろうな」「そのためにはどういう仕事が求められるんだろう」とか。
事例の記事を数多く読んでいたことで、「よく現場をわかっているね」と、面接の逆質問やインターンのフィードバックの際に褒めていただいたことがありました。
中野:私が購読を始めたきっかけは、姉から「就活前に世の中の情勢を知っておくべき」と言われたことです。3年生の初めから毎朝20分くらい、目を通していました。
特に活用していたのは、「就活の特集記事」と「検索機能」。「就活の特集記事」では、「21年卒の何割が就活に苦労している」とか「人事が新たな取り組みを始めた」という記事で情報収集しました。
「検索機能」では、企業名で検索して、その企業がどこを買収したのか、売上が何割伸びたのか、という記事を読んでいました。あるメーカーの面接では、「私たちの商品のどこをどう思いますか?」とフィードバックを求められたことも。その時に、「日経でこういう記事を見て、こう思いました」と答えることができました。
内定先からどの会社を選ぶか決める時も、日経電子版が手助けしてくれました。私は大手メーカーを辞退して、中規模コンサルに就職します。決め手は、「大企業と中小企業、キャリアスタートはどちらがよいか」という記事などを読んだこと。「大手メーカーを諦められない理由はネームバリューだけでは」と気づけました。
春山:僕は、大学の教授や親からすすめられて、3年生の9月頃から購読を始めました。
「○○社がインド企業を買収」など、海外ビジネスはメーカーが主語であることが多い。ビジネス欄を読んでいるうちに、そう気づきました。「じゃあ、日系メーカーの方が海外に行くチャンスがある?」と、コンサルからシフトチェンジしました。
オピニオンの欄もよく見ていました。海外勤務を希望している僕にとって、「Global Economics Trends」は、一番好きなコラムです。ニュースに対する記者などの意見を読み、さまざまな解釈を知ることができました。
「検索機能」も活用しました。二次面接以降は、「会社名 人事」や「会社名 決算」と入れて記事を調べました。日経電子版なら、過去から最新のものまで、情報をサッとまとめ読みできます。僕はここで他の就活生と差をつけられたと思います。実は、内定先の最終面接の前に「会社名 決算」で検索したら、ちょうど決算発表の日だったんです。記事を読んだので「国内の売上高の伸び率が落ち込み、海外がメインになっていますよね。海外に行きたい僕とは、win-winじゃないですか?」とアピールでき、内定をいただけました。
***
「日経電子版」読み方の例
・「朝刊・夕刊」で主要ニュースをチェック
毎日の主要ニュースのチェックには、朝刊・夕刊が便利。 スマートフォン、タブレットから紙面ビューアーアプリを使えば、紙面そのままのレイアウトでの閲覧可能。バランスよく情報に触れることができる。
・「Myニュース機能」で欲しいニュースを抽出
「Myニュース機能」を使えば、特定企業、業界情報やキーワード、トピック、コラムを自動収集。「まとめ読み」で情報収集が効率化でき、時短にも。他にも「保存機能」を使えば、”あとで読む”など好きなラベルをつけて分類可能。自分の”興味データベース”として活用できる。
・ニュースの「読み方」「解釈」を学ぶ
「ニュースを読み解く力」は、ビジネスパーソンに欠かせないスキル。日経電子版では、各界のエキスパートたちがニュースにひとこと解説を投稿する「Think!」の利用がおすすめ。池上彰さん、楠木建さんなどのコメントを気軽に読むことができる。その他、有識者が問題の核心をライブで解説する「NIKKEI LIVE」もある。中国経済、Amazonなど大企業の戦略、起業家の討論会、SDGsを学ぶ番組などが配信されている。
***
■「就活」に挑む後輩へのアドバイス
佐藤:就活は「宝探し」と「マッチング」。企業側の欲しい人材と、自分のやりたい仕事が上手く噛み合うことがベストです。就活生には「こんなに頑張っているのに」とか「大企業に受からなかった」 などと考えずに、新聞などで情報収集をしながら、自分だけのベストな選択を目指してほしいです。
中野:就活は「人生で一番悩んだ経験」。どの会社に行くか、すごく悩み、たくさん情報収集しました。でも、だからこそ「何があってもこの会社でやっていける」という覚悟が決まったんです。「最初に何をしたらいいかわからない」という就活生には、まず新聞を読むことをおすすめします。きっと興味のある業界が見えてきて、自然にキャリア選択をスタートできると思います。
春山:就活は「いろいろな運」ですね。僕は落ちても「運」だと思うようにしていました。あまり思いつめないマインドセットのほうが、受かりやすいかもしれません。あとは、情報収集として新聞を読んでいるほうが、絶対に有利です。僕は最終面接前に企業情報を検索したことで、内定を得られました。ちょっとした差が明暗を分ける。だからこそ対策はきちんとしてほしいです。
***
■就活は情報収集が鍵。日経電子版の活用を
内定者の3人が共通して語っていたのは「情報収集の大切さ」。新聞などを活用し「質の高い情報収集」「必要な情報の取捨選択」を心がけたことが、志望業界の選択や内定獲得に繋がっていた。新年度からの就職をひかえる現在も、情報収集を毎日続けているという。
まずは、あなたも日常生活で「情報収集」を意識してみては。日経電子版は、詳細な企業ニュースや国内外のビジネストレンドを読み解くコラムなど、毎日約1000本の豊富な記事を配信している。もちろんPC、スマートフォン、タブレットに対応しており、興味のある記事のみを集める機能も備わっている。
全ての機能を利用できる日経電子版の有料会員は、最初の1カ月間無料お試しが可能だ。そのほか無料会員でも、一部の記事を読むことができる。
特に就活や仕事を充実させたい人は、ぜひ購読を初めてみては?
詳細はこちら