米スポーツ用品大手NIKE(ナイキ)は、スローガン「Just Do It」の30周年を記念する広告キャンペーンの顔として、NFLサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(49ers)の元クォーターバック、コリン・キャパニック氏を起用する。CNNなどが9月3日に伝えた。
キャパニック氏は3日、「#JustDoIt」のハッシュタグで自身の写真をTwitterに投稿。
写真には「何かを信じろ。たとえそれがすべてを犠牲にすることを意味しても」という力強いメッセージが添えられていた。
▪️全米で賛否分かれる社会問題に
キャパニックは、「黒人や有色人種を抑圧するような国の国旗に敬意は払えないので起立はしない」とその理由を語っていた。
この出来事に触発されたほかの選手らが次々と同調。全米で大きな議論が巻き起こり、賛否が割れる社会問題に発展した。
オバマ大統領(当時)は2016年、「彼は、憲法で保障されている表現する権利を行使している。スポーツ選手がそうした行動に出るのには、長い歴史があると思う」と擁護するコメントを発表していた。
キャパニックは2017年3月、フリーエージェントになって以来、チームとの契約にいたっていない。コリンは、人権運動のせいでオーナーたちが契約を拒んでいると批判していた。
▪️ナイキの広告をめぐる新たな論争
企業やブランドは、しばしば顧客離れを恐れて政治的な立場を表明するのを避けようとする。ナイキは、同社の重要なキャンペーンにキャパニック氏を広告に起用することで、そのポジションを表明したことになる。
実際、Twitterにはキャパニック氏の起用に賞賛の声が多数寄せられる一方、ナイキの靴下をハサミで刻んだ写真を投稿する人も見られた。
この投稿には、2万1000以上のコメントが寄せられ、「ハサミの使い方が間違っている」「幼稚園でハサミの使い方を覚えるべきでしたね」などといった皮肉の声も上がっている。