【日本ロレアル】116年の「世界をつき動かす美」をAIでつなぐ。大規模イベントに新たな兆し

3月21日にエントリーが開始された「ロレアル Big Bang ビューティーテックイノベーション 日本選考 2025」では、募集対象分野にリサーチ&イノベーション部門が追加された。市場の変化に対応したデジタルマーケティングと最新の研究開発手法の側面から、ビューティー業界の未来を共に切り拓く企業の発掘を目指すという。

さまざまな領域でAIの導入が進む現代。美容・化粧品業界でも多様なイノベーションが起きている。

フランスに本社を置き、116年にわたり美容・化粧品業界を牽引してきた世界最大級の化粧品会社「ロレアルグループ」は「ビューティーテックによる一人ひとりのための美」の実現をコンセプトに掲げ、生成AIを搭載したパーソナルビューティーアシスタントなどの製品・サービスを通じて、よりパーソナライズされたビューティーケアの実現に注力している。

そうした中、本グループの日本法人「日本ロレアル」は、3年連続昨年比2桁の成長を達成。同社は3月21日、「2025年度事業戦略説明会」をAOYAMA GRAND HALLで開催した。

説明会には、同社代表取締役社長ジャン-ピエール・シャリトンさんをはじめ、各部門のリーダーが登壇し、2024年度の振り返りや2025年度の日本市場戦略を報告。説明会で発表された、新規のピッチイベント「ロレアル Big Bang ビューティーテックイノベーション 日本選考 2025」の概要を紹介する。

ロレアルの大規模プロジェクト。今年は「AI」に注目

日本ロレアル代表取締役社長 ジャン-ピエール・シャリトンさん
日本ロレアル代表取締役社長 ジャン-ピエール・シャリトンさん
日本ロレアル

2020年に中国で開始された「ロレアル Big Bang プロジェクト」(ロレアル Big Bang ビューティーテックチャレンジ)は、革新的な美の製品と体験の共創・共同開発を目指すオープンイノベーションプログラムだ。

2023年に日本と韓国に拡大し、日中韓で独自のイノベーション・エコシステム「China(C) –Japan (J) –Korea (K)ビューティートライアングル」を構築。2024年からは台湾、香港、ならびに東南アジア、中東、サハラ以南アフリカ、インド、オーストラリア地域にも拡大している。

今回の日本選考では、STATION Ai が運営する日本最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」と協働。募集対象分野を、マーケティングイノベーション部門(次世代コマース、顧客体験、コンテンツ最適化、データインサイト)とリサーチ&イノベーション部門(マテリアル・インフォーマティクス、研究の自動化、研究開発のためのAI)に拡大し、市場の変化に対応したデジタルマーケティングと最新の研究開発手法の側面から、ビューティー業界の未来を共に切り拓く企業の発掘を目指すという。

プロジェクトの審査員は、同社責任者の他、eコマース分野における戦略的パートナーである楽天グループ、インフルエンサーマーケティングのパートナーであるSpartyの代表が務める。

審査で選出された企業は、2025年11月に開催される中国最大級の展示会「中国国際輸入博覧会(CIIE)」で、自社の取り組みを世界に紹介する機会を獲得できる。さらには、ロレアルグループ本社がパリのスタートアップ拠点「STATION F」内で運営する「ビューティーテック アトリエ」でのスタートアップインキュベーションプログラムへの参加など、同社のエコシステムを活用した世界進出を目指す機会もあるという。

「世界をつき動かす美」を、日本のスタートアップと

Overearth via Getty Images

ジャン-ピエール・シャリトンさんは、本イベントについて 「ロレアルグループは、テクノロジーの力を生かすことで、世界中の方が、一人ひとりに固有の、自分らしい美を表現できるような世界を目指しています。ロレアルはこれまでもAIを活用したバーチャルトライアルや、デジタル広告における環境負荷の低減など、スタートアップとの協業によって、美における新しい価値と体験を数多く生み出しています」とコメント。

さらに「当社とのパートナーシップは、ロレアルグループの世界的なネットワークと、美の専門知識やノウハウへのアクセスを意味します。ご参加いただく企業には、世界をつき動かす美を私たちと一緒に、ここ日本から目指していただきたいと考えています。日本には、その可能性を有す企業が数多く存在することを確信しています」と話し、次世代を担う日本のスタートアップとの出会いに寄せる思いを明かした。

【ロレアル Big Bangビューティーテック イノベーション日本選考】

3月21日:エントリー開始

4月30日:デジタル部門第一次エントリー、研究開発部門エントリー締切

6月6日:デジタル部門第2次エントリー締切

5月~6月:書類選考通過企業ご連絡

6月~9月:デジタル部門メンタリング、研究開発部門Pre PoC

9月上旬:2次選考(プレゼンテーションを含む)を経てスカウティング企業選出

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