注射で「患者100人殺した」元看護師が語った動機、「蘇生させ、称賛浴びたかった」

戦後最大の大量殺人事件、動機は「蘇生したときの称賛が欲しかった」
100人の殺害を認めたニールス・フーゲル受刑者
100人の殺害を認めたニールス・フーゲル受刑者
Yahoo7 News

ドイツ北部のブレーメン近郊で、勤めていた病院の患者に薬剤を注射して殺したとして2015年に終身刑を受けていた受刑者が、新たな裁判で入院患者100人を殺していたと認めた。

ドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」によると、これは戦後最大の大量殺人事件で、捜査当局はトルコやポーランドなどでも遺体を掘り返して捜査。しかし、余罪が疑わしいものの、ほとんどの遺体が焼却されており、犯罪の証拠を追うことが難しくなっている。

「蘇生すると、同僚や上司から称賛される」

新たな裁判で大量殺人を告白したのは、元看護師ニールス・フーゲル(41)受刑者。

彼は、1999年からブレーメン近郊のオルデンブルグの病院で働き始めた。2002年にデルメンホルストの病院の集中治療室に勤務となり、2005年6月に逮捕された

暴行罪や殺人未遂罪での判決を受けた後、2014年9月に殺人罪と殺人未遂罪についての公判が始まった。容疑は、2ヵ所の病院で2003~05年、抗不整脈薬を注射して患者3人を殺害し、そのうえ2人を殺害しようとしたというもの。

彼は犯行動機について、患者に心不全などを引き起こす薬剤を投与した後に「同僚や上司の前で患者を救うことで、称賛を浴びたいと考えていた。生き返れば幸せだったし、失敗して患者が死ぬと挫折感を味わった」などと公判で証言した。

この公判の後で、捜査当局は、134体の遺体の掘り返しや彼が精神科医へ話した内容などから、34~96歳まで少なくとも106人の殺害に関与していた可能性があると発表した。彼は200~300人の殺人を犯していた疑惑もある。

同僚は疑いを持っていたが...

公判では疑いがもたれながらも数年間にわたって犯行を阻止できなかった連続殺人事件の全容を解明することが必要であると、ビュールマン裁判長は説明。デルメンホルストの病院で勤めていた元同僚4人は、疑いを持っていながら介入しなかったのはなぜか、裁判所での証言を求められるという。

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