NFL開幕戦で起きた選手へのブーイングに非難の声。「声をあげず、ただプレーしろというのか。なんて悲しいんだ」

9月10日の開幕戦で選手たちが腕を組み団結を示した時、観客からブーイングが起きました

黒人への人種差別や警察の暴力に対する抗議活動が続くアメリカではプロバスケットボール選手や野球選手、テニス選手など多くのスポーツ選手たちも声をあげている。

9月10日に開幕したアメリカのプロアメリカンフットボールリーグ・NFLのカンザスシティ・チーフスとヒューストン・テキサンズの試合でも、選手たちが団結して人種差別に抗議した。

この日チーフスの本拠地カンザスシティで開かれた開幕戦では、両チームの選手たちが試合前に腕を組んで団結を示す、「モーメント・オブ・ユニティ(団結の瞬間)」が行われた。

しかしそれに対して、観客席からブーイングが起きた。

Unified for change.#ItTakesAllOfUs pic.twitter.com/vwwzbUtjJv

— Houston Texans (@HoustonTexans) September 11, 2020

選手たちが腕を組んでいる間、スコアボードには「平等を支持する」「人種差別を必ず終わらせなければいけない」「全ての人のための正義を信じる」「警察の暴力を必ず終わらせる」「無条件の愛を選ぶ」「Black lives matterを信じる」「皆でやる」といった団結を示す7つのメッセージが掲げられていた

チームの垣根を超えて選手たちが見せた団結に対して浴びせられたブーイング。SNSでは、多くの人たちがブーイングを非難し選手たちを支持した。

Don’t kneel. Don’t lock arms. Don’t love each other. Don’t empathize with your brother. Don’t care about your country. Don’t speak up for the vulnerable. Don’t seek justice or righteousness.

Just play.

Sad. https://t.co/F6zJYHnMLj

— Benjamin Watson (@BenjaminSWatson) September 11, 2020

「片膝をつくな、腕を組むな、お互いを愛するな、兄弟を大切にするな、国を大切にするな、弱い人のために声をあげるな、正義や正しいことを追い求めるな、ただプレーしろというのか。なんて悲しいんだ」

I’m sorry but @Chiefs fans should be ashamed & embarrassed. How can you cheer & love @PatrickMahomes, but then boo him & YOUR team, when they stand in a beautiful moment of unity w/ @HoustonTexans, to fight against racism & social injustice?! He’s not alive just 2 entertain you! https://t.co/321NZXTi5L

— Kelli Johnson (@KJohnsonNBCS) September 11, 2020

「こんなこと言いたくないけれど、チーフスのファンは、恥ずかしく思うべきだ。一体どうしたらパトリック・マホームズを応援しながら、彼とチームにブーイングができるのか。彼らがヒューストン・テキサンズと美しい団結を示し、人種差別や社会の不正義と闘っているのに。彼はあなたたちを楽しませるために生きているわけじゃない!」

Yeah, so that booing during the “show of unity” is a real good example of why players feel so strongly about these causes in the first place.

— Terez A. Paylor (@TerezPaylor) September 11, 2020

「“団結を見せる”時にブーイングした人がいることこそ、そもそもなぜ選手たちが団結しないといけないと強く感じているのかを示す良い例だ」

My hometown's got no love for unity? They're booing unity now?pic.twitter.com/fAN92iqHJv

— Michael Lee (@MrMichaelLee) September 11, 2020

「我がふるさとは、愛や団結がないのか?彼らは団結にブーイングしているのか?」

they were booing unity.

how do you boo unity? https://t.co/TdQ9Ivu00F

— Josh Vitale (@JoshVitale) September 11, 2020

「団結にブーイングしているの?一体なぜ団結にブーイングなどできるのだろう?」

カンザスシティのクイントン・ルーカス市長も、「ブーイングを耳にした」としつつ「カンザスシティは良い街であり、多く人たちは選手を支持し、社会を良くしようとしている」と多くの市民が選手を支持しているとツイートで綴った。

モーメント・オブ・ユニティの前には、アメリカ国家と黒人の国歌と言われている「Lift Every Voice and Sing」が演奏され、そこでも抗議の意思表示が行われた。

スポーツ・イラストレイテッドによると、両曲の演奏中、テキサンズの選手はロッカールームにとどまった。そしてフィールドにいたチーフスの選手の多くは腕を組み、ラインバッカーのアレックス・オカファー選手はひざまずいた。 

During the national anthem, the Texans stayed in the locker room.

Many of the Chiefs locked arms.

Texas great Alex Okafor took a knee and raised his fist. pic.twitter.com/0uX2nyJj21

— Jake García (@Jake_M_Garcia) September 11, 2020

テキサンズの選手たちがロッカーに止まった理由を、同チームのフットボールオペレーション、エグゼクティブ・バイス・プレジデントのジャック・イースターリー氏は「変化を求めるためだ」とはNBCに語っている

NFLでは、サンフランシスコ49ersの選手だったコリン・キャパニック氏が2016年に人種差別と黒人に対する警察官の暴力に抗議を示すために、国歌演奏中にひざまずいた。 

キャパニック氏に続く選手もいたがNFLは抗議活動を支持せず、2018年には国歌斉唱の際にひざまずくことを禁止。違反した場合には処罰を課すとした。

しかしジョージ・フロイドさんの死をきっかけに人種差別への抗議活動がアメリカ中に広がった後、NFLのコミッショナーのロジャー・グッデル氏はリーグの過ちを認め、さらに国歌演奏中に平和的な抗議活動をしても処罰しないとした

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