「車から猫の声がするからきてほしい」
日本自動車連盟(JAF)がドライバーからこんな要請を受けた件数は、2022年6月の1か月間で284件(全国)に上ることがわかりました。
気づかずにエンジンをかけてしまうと、猫の命が危険にさらされるほか、車の故障にもつながります。
特に梅雨の時期が多いとされる「猫トラブル」。何に気をつければいいのでしょうか。
こんなところに猫が…福岡が最多の51件
JAFによると、2022年6月に猫トラブルでロートサービスの要請を受けた件数は全国で284件あり、そのうち福岡県が全国最多の51件だった。
通報内容は「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」などで、猫は「子猫」が多かったという。
なお、2022年1月にも猫トラブルの調査をしたが、要請件数は21件と、梅雨の時期に比べたら少なかった。
JAF福岡支部ロードサービス隊が撮影した写真を見ると、思わず「嘘だろ…こんなところに猫?」と言ってしまいそうな隙間に、猫が入り込んでいることがわかる。
ネズミやヘビも?鳥が巣を?
では、なぜ猫は車のエンジンルームに入ってしまうのか。
JAFウェブサイトによると、猫は暖かい場所や狭い場所を好む。
駐車している車のエンジンルームは、暖かくて雨風が入りにくいため、「猫にとって安心できる条件がそろっている」としている。
なお、猫だけでなく、ネズミやヘビが入り込んだり、鳥が巣を作ったりするケースもあるという。
もし、気づかずにエンジンをかけてしまうと、猫が機器の回転部分に巻き込まれてしまう可能性がある。
瞬間的な出来事のため、ドライバーが気づいた時には手遅れだ。
「猫バンバン」で確認。クラクションも有効
車を動かす前には、何らかの方法で猫に人間の存在を知らせる必要がある。
その一つに、「車のボンネットをバンバンと叩く」方法がある。いわゆる「猫バンバン」と呼ばれている。
こうすることで、猫が逃げたり、鳴き声をあげたりする可能性が高い。その場合はボンネットを開け、猫がいるかどうか確認する。
一方、叩く際は、ノックするように優しく叩く必要がある。強く叩きすぎると、怖がってより奥に入ることもあるという。
このほか、エンジンをかける前にクラクションを鳴らすことも有効だ。
万が一、事故が起きてしまった場合はJAFに依頼するか、ディーラーや修理工場に連絡しなければならない。
猫トラブルが多い6月、JAFは「エンジンルームに猫がいるかもしれないと注意することが重要」と呼びかけている。