北米の男子プロバスケットボールリーグNBAの複数のチームが、アメリカ・ウィスコンシン州ケノーシャで黒人男性のジェイコブ・ブレイクさんが警察に銃撃されたことへの抗議として、8月26日に予定されていた試合をボイコットした。
最初にプレーオフへのボイコットを表明したのは、事件が起きたウィスコンシン州に本拠地を置くミルウォーキーバックスだ。
同チームは、26日に予定されていたオーランドマジックとのプレーオフ第5戦のコートに現れなかった。
NBAレポーター、マリカ・アンドリュース氏のツイート:「第5戦をボイコットするというバックスの決断を受けて、ボールが片付けられています」
その後、ヒューストンロケッツとオクラホマシティサンダー、ロサンゼルスレイカーズとポートランドトレイルブレイザーズの試合も中止になった。
レイカーズに所属するレブロン・ジェームズ選手は「私たちは変化を要求する。もううんざりだ」とツイートしている。
NBAはTwitterで、「オーランドマジックとの第5戦をボイコットするというミルウォーキーバックスの決断を受け、NBAとNBPAは、ミルウォーキーとオーランド、ヒューストンとオクラホマシティ、ロサンゼルスとポートランドの試合を延期することを本日発表します」とプレーオフの全試合を延期すると発表した。
審判団もボイコットを支持している。アメリカバスケットボール審判協会は「黒人男性と女性が警察によって不当に殺されていることへの抗議として、選手たちが今夜のゲームをボイコットしました。私たちはこの決断を支持します。この国にはバスケットより大切なことがあります、私たちはボイコットが変化を促すことそ期待します」と団結する姿勢を示した。
ボイコットの後、バックスは声明文を発表。警察の人種差別を強く非難し、変革を求めた。
「私たちはミルウォーキーとウィスコンシンを代表してコートに立っています。高いレベルのプレー、そして最大の努力と責任を全うすることが求められています。私たちは、自分たちにはその基準を守る責任があると考えています。同じ基準を、政治家や警察にも求めます」と声明には綴られている。
<声明を読み上げるバックスの選手たち >
バックスのシニアバイスプレジデントのアレックス・ラスリー氏も選手の決断を支持し、100%サポートするととツイートしている。
アレックス・ラスリー氏のツイート「バスケットボールより重要なことがあります。選手や組織は今日、これ以上耐えられないと声をあげました。もうたくさんです。変わらないければいけません。わたしは、我々の選手たちを心から誇りに思います。彼らを100%サポートします。本当の変化をもたらすための助けになる準備はできています」
選手たちは様々な形で抗議を表明している。
女子プロバスケットボールリーグWNBAのワシントンミスティックスは26日に開かれたアトランタドリームとの試合で、ブレイクさんの名前と7発の銃弾を象徴する穴のあいたシャツを着て試合に臨んだ。
ボイコットはバスケットボールに止まらない。同じくミルウォーキーに本拠地を置く大リーグのブルワーズも、26日に予定されていたシンシナティレッズとの試合を延期して、団結を示した。
ブレイクさんは23日に、車に乗り込もうとした際に警察官に背中を7回撃たれた。車内にはブレイクさんの幼い子ども3人が乗っていた。
医師によると、ブレイクさんは一命は取り留めたものの、銃撃が原因で腰から下が麻痺し、「奇跡が起きない限り歩けることはない」という。
アメリカではブレオンナ・テイラーさんやジョージ・フロイドさんなど、黒人が警察によって殺される事件が相次いでおり、ブレイクさんが銃撃された後、ケノーシャでは警察の人種差別や暴力に対する抗議活動が起きている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。