昼寝のススメ リフレッシュできる時間はどのぐらい?

気温や湿度が高い夏には、寝苦しさなどから暑気あたりや夏バテになってしまうことも…そんな時は「昼寝」で心身の疲労を回復するのがオススメです。
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強い日差し、ムッとする湿気、そして寝苦しい夜……夏は私たちの体にダメージを与え、放っておくと夏バテや暑気あたり(暑熱障害)におちいります。そこでおすすめしたいのが昼寝です。昼寝は夏のダメージを受けた心身を回復させてくれるのです。

夏の午後は「少しの休み」が必要

「唐の時代の『千金要方(せんきんようほう)』という古い医学書に、『夏の午後は少しの休みをとりましょう』という記述があります。暑い夏は少しの休み、つまり昼寝が必要だというのです」と語るのは、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生です。

東洋医学では、夏は火にたとえられ、天の気、地の気ともにエネルギーが強く、人間を含めた動植物万物はこの季節に生長発展することができると考えます。しかし、エネルギーが強すぎて夏バテや熱中症になることがあるので、休息が必要になるというのです。

「熱帯夜が続くと夜は寝室のエアコンを朝までつけておくという人もいるでしょう。すると翌日、睡眠時間は十分なのに体がだるかったりします。エアコンをつけながらの睡眠が自律神経を乱しているからですが、熱帯夜は体力・気力を消耗させています」(瀬戸先生)

昼寝は20分で十分

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「昼寝をすると脳がリフレッシュするので、昼寝を推奨している会社もあります。睡眠の研究によると昼寝でリフレッシュするには20分あれば十分で、その程度なら夜の睡眠を妨げることもないとされています。イメージとしては、パソコンのスリープモードが昼寝で、夜の睡眠はシャットダウンでしょうか」(瀬戸先生)

デスクにつっぷして昼寝をすることが多いでしょうが、許されるならソファなどで横になって昼寝をした方が身体が休まります。ただし、20分を超える昼寝は覚醒に時間がかかったり、夜の睡眠に支障が出るなど逆効果になることがあるので、スマホでアラームをセットしておくとよいでしょう。

日差しが強いスペインでは、「シエスタ」といって、昼食後に昼寝をする習慣があります。昼寝の習慣は、中国・インド・ベトナムなどの熱帯・亜熱帯地域や、地中海周辺のギリシア・イタリア・中東・北アフリカでも見られます。日本の夏も年々暑くなってきているので、疲れを和らげるためにも、昼寝をする習慣にしてはいかがでしょうか。

参考資料など

取材/瀬戸郁保氏、瀬戸佳子氏(源保堂鍼灸院)

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