8月10日、遠藤大臣を座長とする関係閣僚会議に招かれ、意見を述べる機会を得た。新国立競技場は、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開会式・閉会式、陸上競技、サッカーの会場となる重要な施設であり、大会成功のためには、期限内に完成させねばならない。そこで、私は、以下の4点の提言を行った。
(1)アスリート・ファースト:選手が競技で力を発揮できる競技場でなければならない。そして、観客が快適に観戦できることが不可欠である。そのためにも、バリアフリーをはじめ、アクセシビリティの確保が重要である。
(2)レガシーを残す:大会の成功はもとより、大会後に国民が活用できるレガシーとせねばならない。過剰な機能は不要だが、「安かろう悪かろう」も困る。
(3)2020年1月までの完成:IOCや専門家の見解では、プレイベントやリハーサルのためには、6ヶ月が必要だという。政府は、2020年春を完成の目途にしているが、それを少し前倒しにして、十分な準備機関を確保すべきである。
(4)神宮外苑地区のまちづくりとの調和:新国立競技場が建設される神宮外苑地区は、緑豊かで風格のある地区である。4月に、関係6者で、この地区の再整備の具体的協議が始まったが、新国立競技場の整備は、その議論と整合性を持つ形で進められなければならない。スポーツのメッカとするのみならず、防災拠点としても活用するとよい。
さらに、これから整備を進めるに当たっては、「提言(その1)」でも主張したが、以下の2点を強調しておきたい。まずは、的確な工程管理である。事業の進行が遅れないようにするためには、これを確実に行わねばならない。そして、第二に情報公開である。整備に関する情報は公開し、節目節目に国民に説明することが肝要である。国民の合意形成こそが、最重要課題である。
(2015年8月12日「ますぞえ要一公式ブログ」より転載)