アメリカ・ミネソタ州の新聞「レッドウッド・フォールス・ガゼット」に掲載された、お悔やみ広告が物議を醸している。
注目を集めているのは、ミネソタ州ワバッソ生まれのキャスリーン・ダムロウさんの死亡広告。キャスリーンさんは5月31日、同州のスプリングフィールドで亡くなった。80歳だった。
5日後の6月4日に、紙面とウェブに掲載されたのがこの広告だ。
キャスリーン・ダムロウ(旧姓:シュンク)は1938年3月19日、ワバッソでジョセフとガートルード・シュンクの間に生まれた。
ワバッソにあるセント・アンズで、デニス・ダムロウと1957年に結婚。ジーナとジェイの二人の子供をもうけた。
1962年、夫のきょうだいライル・ダムロウの子を妊娠し、カリフォルニアに転居した。
ジーナとジェイは置き去りに。2人はキャスリーンの両親であるシュンク夫妻に育てられる。
キャスリーンは2018年5月31日にスプリングフィールドで死去、ついに裁きを受ける時がきた。ジーナとジェイが彼女の死を悲しむことはない。キャスリーンがいない方が、世界はよりマシなものになる。2人はそう考えている。
通常、お悔やみ広告に書かれるのは、亡くなった人が人生で成し遂げたことや、本人にとって重要な出来事。
しかし、キャスリーンさんの広告に書かれているのは、メロドラマのような人生と彼女に対する厳しい批判だ。
ソーシャルメディア上では「全ての人は死後に尊厳を持って扱われるべき」といった批判の声がある一方で、「本当のことを書くのに勇気が必要だったはず。亡くなったからといって、その人が聖人になるわけじゃない。虐待された子どもが、ひどい親を許さなければいけないというルールはない」と、かばう意見もある。
同紙のゼネラル・マネジャー、リサ・ドラフォール氏によると、死亡広告はキャスリーンさんの家族がお金を出して掲載した。
■ 人生はそんなに単純じゃない
本人は公表したくなかったであろう出来事を、死後に多くの人に知られてしまったキャスリーンさん。親戚のドゥワイト・ダムロウさんは、そんなキャスリーンさんを擁護する。
彼はミネアポリス・スター・トリビューン紙に、お悔やみ広告に書かれていることは事実だが、省かれていることがたくさんあると語った。
「残念なのは、このお悔やみ広告に反論できないことです。実際には書かれている以上のことがあったのです。そんなに単純な話ではありません」
キャスリーンさんは晩年を老人ホームで過ごし、亡くなった時は彼女の姉妹が付き添っていたという。
「彼女は60年前に間違いを犯しました。しかし、間違いを犯さない人なんているでしょうか?。自分のやったことを後悔したかって?ええ、悔やんでいました」