福岡市が5月29日、「昼寝」を推奨する取り組みを始めた。福岡市によると、自治体主導の昼寝推奨は全国初だという。寝具メーカー・西川と連携し、市内の希望する企業に対して昼寝用の「フード付きブランケット」を無料配布したり、睡眠に関するセミナーなどを開催したりする。
このなんともユニークな試みは、その名も「#PowerNap(パワーナップ)」プロジェクト。Power Nap とは15〜20分程度の短い昼寝を意味し、西川によると、眠気や疲労の回復、作業効率の向上などに効果があるという。
青地のブランケットには大きく「CHARGING NOW(充電中です)」の文字。「昼寝を『チャージ』として捉えて欲しい」というメッセージが込められているという。机で寝るときに背中にかければ、周囲からもかなり目立ちそうだ。
プロジェクトの始まりは2019年1月、福岡市が民間企業に向けて、「30・40 歳代を対象とした睡眠・休養に関する効果的な取り組み」を公募したことがきっかけだった。
市では、健康づくりの柱の1つとして「休養」を掲げ、様々な取り組みを行ってきたという。しかし、市が2016年に行なった調査で「睡眠で休養が十分に取れていない人の割合」が男女ともに全体の約3割で、2011年の調査からほとんど改善されていないことがわかった。「今までと同じことをしてもだめ。新たなアイディアを」と考え、民間企業の知恵を求めたのだという。
プロジェクトの担当者である木本昌宏さん(福岡市保健福祉局総務企画部)はハフポスト日本版の電話取材に対して、プロジェクトを「行政と民間の強みで社会課題を解決する取り組み」と表現した。
福岡市は31日、企業からのプロジェクト参加の申し込みが殺到し、用意していたブランケット1000枚全ての配布が決まったことを発表した。
昼寝は、福岡で働く市民の健康をどう変えるのか。日本初の取り組みに注目だ。