これまで人種差別問題などで声をあげてきたテニスの大坂なおみ選手。
5月30日に開幕する全仏オープンを前に、メンタルヘルスを守るために、同大会で記者会見をしないことをソーシャルメディアで発表した。
メンタルヘルスと記者会見の関係を、大坂選手は次のようにつづっている。
「私はこれまで何度も、アスリートのメンタルヘルスが考慮されていないと感じてきました。そのことを、これまでに見た記者会見や自分が答えた記者会見で実感してきました」
「会見ではしばしば、これまで何度も尋ねられた質問や、自分自身を疑ってしまうような質問を聞かれます。私を疑う人たちの前に、私は自分をさらしたくはありません」
「試合に負けた後の記者会見で、アスリートたちが泣き崩れたのを見たことがあります。もしかしたら、あなたも見たことがあるかもしれません。落ち込んでいる時になぜさらなる打撃を与えようとするのか、私にはわかりません」
大坂選手は、記者会見をしないことは全仏オープンとは関係ないことであり、ジャーナリストたちとも友好的な関係を築いていると述べる。
しかし「もし主催者側が『記者会見をしなければ罰金を課す』と主張し、彼らにとって最も重要な存在であるアスリートのメンタルヘルスを考慮しないというのであれば、笑うしかありません。その時は、かなりの額になるであろう罰金が、メンタルヘルスの慈善団体に寄付されることを願います」とつづる。
大坂選手の決断に、テニスのヴィーナス・ウィリアムズ選手はInstagramで「あなたの思う通りにやったらいい。あなたの人生はあなたのもの!」とコメント。
コメディアンのエレン・デジェネレスさんも「あなたの決断を支持します」と、サポートを表明している。
記者会見と罰金を巡っては、これまでヴィーナス・ウィリアムズ選手が2016年に、全豪オープン初戦で敗退した後の記者会見に現れず、5000ドルの罰金を課された。
また、ノバク・ジョコビッチ選手も、2020年の全米オープンで記者会見をせずに7500ドルの罰金を課されている。
大坂選手は現在世界ランク2位。世界四大大会ではこれまで全豪オープンと全米オープンで優勝しており、30日からの全仏オープンで初の優勝を目指す。