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知っている漢字が使われているのに読めそうで読めない難読漢字を紹介します。
今回のお題は「湯湯婆」。
さて、なんと読むでしょう?
ヒントは「湯婆婆(ゆばあば)」とは1字違うけど、ちょっと近いもの。

スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』より
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正解は、「ゆたんぽ」。
国立国会図書館と全国の図書館などの協同事業「レファレンス協同データベース」によると、「湯湯婆」という表示は、室町時代までに中国から伝わった「たんぽ(湯婆)」に、「湯」を重ねたもの。
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「湯」は「たん」、 「婆」が「ぽ」の音になります。
独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、「婆」は中国語で妻や母親という意味。妻や母親を抱くように容器を抱いて眠ることから「湯婆」となったとの説が紹介されています。
名作で「湯婆」が使われることも
新聞などでは「湯たんぽ」と、「湯婆」の部分はひらがなで書きますが、文学では漢字「湯婆」を使った表現が使われていることもあります。
一例を紹介しましょう。
寺田寅彦『病中記』
「脚部には湯婆が温かくていい気持になってほとんど何も考えないでウトウトしていたが眠られはしなかった」
夏目漱石『道草』
「こう始終湯婆ばかり入れていちゃ子供の健康に悪い」
以上のように、「婆は温かいから”ゆたんぽ”」と覚えると良さげ。
ひょっとしたら、劇中で意地悪に見える「湯婆婆」も、温かい人なのかもしれませんね。
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