10月31日投開票の衆院選で、国民民主党と立憲民主党が比例代表で党名を書く際には必ず正式名称で書くように異例の呼びかけをしている。
どちらの党も比例代表での略称を「民主党」と届け出ており、開票所での記入例にどちらも「民主党」と記載されていることが原因だ。
もし投票用紙に「民主党」と書くと、どこの党に票が行くのか。総務省に取材してみた。
■2党とも同じ略称「民主党」。有権者に略称を書かないように促す
国民民主党の玉木雄一郎代表は26日、比例代表の投票用紙に「民主党」ではなく「国民民主党」と書くように促す画像をつけて「拡散お願いします」とツイートした。
また、立憲民主党の 枝野幸男代表も27日にツイート。「みなさまへのお願い」として投票用紙に略称の「民主党」ではなく「立憲民主党」と書くように呼びかけた。
■もし「民主党」と書いたらどうなるの?
旧民主党の流れを汲む両党は、2020年9月に新しい党として再スタートした。総務省によると、その際に政党名の略称が同じく「民主党」で届け出されており、現在もそのままになっているという。
ではもし今回の衆院選で、比例代表の投票用紙に「民主党」と書いた場合にはどの党に票が入るのか。総務省の担当者に聞いてみたところ、「公職選挙法第68条の二の規定に従って、(原則として市区町村を単位とする)開票区ごとに、有効投票数に応じて按分されます」と話した。
つまり「民主党」と書かれた票は、国民民主党と立憲民主党の票数の割合に応じて割り振られることになる。たとえば、両党の票数が全く同じだったら、「民主党」の1票は0.5票ずつ両党に割り振られるというわけだ。
総務省によると、過去に似たようケースがあったのは1992年の参院選。細川護熙代表が率いる日本新党と「国民新党」(2005年の同名の党とは別)が、いずれも略称「新党」を届け出たことから票が按分されたという。