外反母趾は小学4年生ぐらいから急激に増える。爪の切り方に注意!

4年生児童の外反母趾の発症率が4割あったという。
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「外反母趾は小学4年生ぐらいから急激に増え、発症率が4割。中学生になるとますます増える。変形性膝関節症などのリスク群になる可能性があるため、発達過程を支援することが必要」――。大阪市内で9月25日に開かれた「足と歩行を守る」のシンポジウムで、足の機能に詳しい大阪大学大学院医学系研究科の山下和彦特任教授が訴えた。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

山下氏が大阪市内のある小学校児童に行った6年間の追跡調査で、4年生児童の外反母趾の発症率が4割あったと述べた。「発達過程なのでこれで構わないのだが、放っておかないでほしい」と、足指の爪の切り方などの改善を求めた。

山下氏によると、子どもは4歳頃に体のバランス機能を身に付ける。歩いたり転んだりする過程で、足裏から得た感覚を基に姿勢制御できるようになっていく。10歳頃に骨や足の力、バランス機能の基本も完成し、スポーツができるようになる。

■踵が外側を向く、足指が強く内側に曲がっている子どもも

ところが、運動や栄養、靴、遺伝、発達過程、スポーツなど様々な要因に加えて、足指の爪切りなどの日常的なケアや靴の選び方が間違っていることなどから足に問題を抱えている子どもが多くいるとして、子どもの足が「かなり深刻な状況になりつつある」と指摘。そういった子どもの足の写真が示され、▽深爪をし過ぎて爪先の肉が盛り上がっている▽足指が内側に強く曲がっている▽踵が外側を向いて足首が内側に倒れている▽足指が地面に付かず浮いている▽偏平足▽外反母趾―などがあった。

山下氏は深爪の子どもの例を示し、「歩行で前に進むときは指で地面をグリップするので、(深爪などにより)足裏の感覚に爪がないと、皮膚がくいっと上がる。そうすると地面を蹴られなくなるだけでなく、センシング機能が低下して下からの刺激を取れなくなる。それなしで姿勢制御しようと体が考えるとそういう構成になる。姿勢制御脳や身体機能をちゃんとつくりあげるのは幼稚園、小学校低学年。だから深爪し過ぎているとか、指が曲がってるのは、その子のバランスの発達に影響を与える可能性が大きい。子どもたちの発達への支援が大事だと思っている」と述べた。

山下氏が2013年から秋田県男鹿市内の未就学児童に行った3年間の研究では、保護者らに正しい爪の切り方や日常生活でできる足の運動などについて指導した結果、足指力や膝間力が全ての年齢群で向上し、足圧分布や踵の曲がりの問題なども改善している。

山下氏によると、子どもの足の機能の改善には足の運動と正しい爪の切り方が大事。山下氏によるロハス・メディカルの連載をどうぞ。

子どもの足の運動(2009年8月号)

正しい足指の爪切り(2009年9月号)

正しい靴選び①(2009年11月号)

正しい靴選び②(2009年12月号)

同日のシンポジウムで話された、高齢者の足の機能改善については「足指・爪のケアで身体機能改善、年間8万円の医療費削減効果も」をどうぞ。

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(2017年10月1日ロバスト・ヘルス「外反母趾、小学4年生に4割の発症率-爪の切り方に注意!」より転載)

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