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忍耐強く石を温めて一躍有名になったハクトウワシが、念願叶って子育てをすることになった。
アメリカ・ミズーリ州の鳥類保護センター「ワールド・バード・サンクチュアリ」で暮らす31歳のオスのハクトウワシ・マーフィーは3月末、地面に座って石を温める姿がTwitterに投稿されて話題になった。
ツイートによると、囲いには地面に横たわるマーフィーについて「怪我や病気などの問題があるわけではありません。地面に巣を作り、石を注意深く温めているのです!幸運を祈ります!」という説明も添えられていた。
サンクチュアリによると、マーフィーが石を温めるのは、ホルモンの反応によるものだという。
それでも、SNSには「これはマーフィーが素晴らしい父親になれる兆候だ」という声も投稿された。
石を温めていたマーフィーに託されたヒナ
その一方で、サンクチュアリはマーフィーが巣を守ろうとして他の鳥を威嚇した、とも説明。
鳥たちがストレスを感じるようにになったため、マーフィーを石と一緒に別の囲いに移動させた。
ちょうどその週、強風で巣を吹き飛ばされたワシのヒナが運び込まれた。
サンクチュアリによると、ヒナは生後14日ほどで、怪我をしていたもののそれ以外の健康状態に問題はなかった。
獣医たちはヒナを治療し、独り立ちするまで、大人のハクトウワシに育ててもらうことにした。
その育ての親候補として白羽の矢が立ったのが、卵の代わりに石を温めていたマーフィーだ。
サンクチュアリは「子育てをしたことのないマーフィーにヒナを任せるのは、賭けであると同時に絶好のチャンス」と綴っている。
計画では、まずヒナを「ベイビー・ジェイル(赤ちゃん刑務所)」と呼ばれる小さなケージに入れて、マーフィーが暮らす囲いに置く。
そうやってヒナの安全を保ちつつ、マーフィーがヒナを受け入れる行動を取れば、ケージから出して直接対面させる。
はたしてマーフィーはどんな反応を見せるのか――。
サンクチュアリのスタッフが見守っていると、マーフィーはすぐにヒナの鳴き声に反応し、周囲を守り始めたという。
その数日後、ヒナはベイビー・ジェイルから解放され、2羽は同じ囲いの中で直接対面した。
マーフィーが「素晴らしく優しいパパ」に
ケージを取り除いた状態で対面したマーフィーとヒナ。スタッフがのぞき穴から観察していると、1時間ほどしてマーフィーがヒナに近づき、興味深そうに観察した。
そして翌日には、マーフィーがエサの魚を小さくしてヒナに与えたことが確認された。
サンクチュアリが16日に投稿した動画には、マーフィーがヒナにエサの食べ方を教える様子が捉えられている。
シングルファーザーの役割を引き受け、小さなヒナの子育てを始めたマーフィー。サンクチュアリは「マーフィーと新しいヒナは美しい絆で結ばれている」とコメントしている。
サンクチュアリは、ヒナに名前を付けていない。これは「名前をつけると野生に戻せなくなる」という“ジンクス”があるためだという。
一方、マーフィーは翼の怪我が原因で飛ぶことができないため、サンクチュアリに永住する予定だ。
しかし、それがマーフィーが育ての親となるのを妨げることはなかった。
サンクチュアリは「マーフィーはお手本となる行動をして、素晴らしく優しいパパになっています」と子育てぶりを称賛している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。