アメリカ国防総省は3月14日、黒海上空の国際空域を飛行していたアメリカ空軍の無人偵察機「MQ-9」にロシアの戦闘機「Su-27」が衝突したと発表した。米軍のMQ-9はプロペラを損傷したことで、黒海に墜落した。ロシア軍のSu-27もダメージを受けた可能性が高いが、着陸はできたようだという。
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■米空軍司令官が警告「誤算と意図していなかった“事態の激化”につながる可能性」
米空軍司令官のジェームズ・B・ヘッカー大将は「衝突の前に何度か、Su-27は燃料を投棄し、無謀で環境的に不健全で専門的でない方法でMQ-9の前を飛んだ」と説明した。
その上で、「ロシアの航空機搭乗員によるこれらの攻撃的な行動は危険であり、誤算と意図していなかった“事態の激化”につながる可能性があります」と警告した。
■ロシア政府は「衝突」を否定
一方、ロシア国営タス通信は、米軍の無人偵察機がクリミア半島の近くの黒海上空を飛行し、「(ウクライナでの)特別軍事作戦で設定された臨時空域体制の領域の境界を侵犯した」というロシア国防省の発表を伝えた。
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同省は、無人偵察機が操縦不能になり黒海上空で水面に落下したことを認めたものの、「ロシアの航空機は搭載兵器を使用せず、無人航空機と接触せず、無事に自国の飛行場に戻った」として、衝突を否定している。
【UPDATE】アメリカ欧州軍の公式YouTubeは日本時間3月16日、米軍の無人偵察機「MQ-9」が墜落する前に撮影した映像を公開した。ロシアの戦闘機「Su-27」が燃料とみられる放出しながら急接近してくる様子が映し出されていた。(2023/03/18 10:30)