これから海外転職される方で「住民票を残そうか転出しようか」「住民票を海外転出するとどうなるか」と悩んでいる方も多いと思います。住民票は国民年金、国民保険、住民税の支払いに関係します。「住民票を転出すると、国民年金、国民保険、住民税はどうなるのか?」「メリット・デメリットは?」を解説します。また、実際にインド在住の日本人はどうしているのかも伺ってみましたので参考にしてください!
日本で市町村と特別区で作成される住民に関する記録。
海外転職や海外旅行で長期滞在される場合は、住民票を残すか、転出するかを選ぶことになります。
そのまま住民票を残す
転出届を出さずにそのまま残すと、海外に住んでいても日本にいる時と同様に、国民保険、国民年金に加入し続けることができます。同時に、海外にいながら保険と年金の支払いを続けることも必要。
海外転出届を提出して住民票を転出する
海外に移住、また長期滞在(一年以上の海外転勤、出張、旅行)する時に提出する書類を海外転出届と言います。
海外転職届を提出すると同時に、住民票も転出することになります。
期間...転出予定日の14日前から
場所...各市役所
届出人...本人または世帯主
必要なもの...窓口で手続きする人の本人確認ができるもの(運転免許証・パスポートなど)、印鑑、印鑑登録証、住民基本台帳カード
日本に住民票がある20歳以上60歳未満のすべての人に加入する義務がある「国民年金」。
住民票を抜くと、国民年金の支払いが義務から任意に変わります。つまり、住民票を抜けば年金を支払う必要がなくなります。しかし、転出した分だけ最終的に受給できる額も減少します。また、加入は続けられるので、そのまま払い続けることも可能。現在の国民年金の保険料は、一月当たり16,490円(平成29年4月~平成30年3月まで)。一年分は、197,880円です。
住民票を転出するメリット
・支払う必要が無くなる。
・任意に変わるだけなので、加入は続けられる。
住民票を転出するデメリット
・支払わなければ受給額が少なくなる。
日本に住民票があるすべての人が加入する「国民健康保険」。
住民票を転出すると、支払う必要がなくなりますが、加入することができなくなります。ここが年金と違います。日本にいる時に怪我、病気になった場合、保険が効かないので医療費が高額になります。また、国民健康保険は必要な書類を集められれば海外でも使用できます。
住民票を転出するメリット
・民間のお得な海外保険で代用可。
住民票を転出するデメリット
・日本で怪我や病気になった場合、自費負担。
・国民保険に加入できなくなる。
前年度の収入に基づいて、毎年1月1日に住民票がある市区町村から課税される税金が「住民税」。
つまり、1月1日現在の住所が日本以外の場所の場合は、課税対象とはなりません。反対に1月1日以降に海外転出届を提出した場合、海外にいながら住民税を支払わなければなりません。
住民票を転出するメリット
・住民税を払う必要がなくなる。
住民票を転出するデメリット
・日本にいた時の所得額で課税されるので、転職先で収入が少ないと支払いが困難。
29歳男性
海外転職届を出したので、住民票を転出しています。国民年金も任意で加入しないことにしました。現状の年金システムを考慮すると、積み立てた額以下のお金しか返ってきない可能性があるのが理由です。保険に関しては住民票を転出したため、民間の海外保険に入っています。
25歳女性
住民票は転出しました。経済面を考えるとメリットが多い事が理由です。元々海外は短期間だけ働く予定でしたので、国民年金は加入し続けています。保険は民間の海外保険に加入しています。病気やケガが一番恐いので。
二名とも海外転職届を提出し住民票を転出されていました。また、どちらも民間の海外保険に加入されています。
経済面を考慮すると、出費を抑えることができるので住民票を抜く方が得策と言えますが、各自の状況に合わせての検討が必要です。住民票、年金、保険といった公的手続きは、航空チケットの取り方と比べると煩わしいですが、重要な事項なので海外に行く前に終わらせてしまいましょう。
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