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世界記録を打ち立てたノルウェーの登山家クリスティン・ハリラ氏が、大怪我をしたポーター(荷物を運ぶ山岳ガイド)を置き去りにして登山を続けたという告発を否定した。
ハリラ氏は7月、ネパールのシェルパであるテンジェン・シェルパ氏とともに、パキスタンと中国の国境付近に位置する世界で2番目に高い山、K2に挑んだ。
ハリラ氏らは27日に頂上に到達。ニルマル・プルジャ氏が持っていた記録を破り、標高8000メートル以上の世界最高峰14座を92日で登頂するという世界最速記録を打ち立てた。
しかし、この輝かしい記録を作ったハリラ氏に対し、登山中に怪我をしたポーターを置き去りにしたという告発が起きている。
ガーディアンによると、K2の標高約8200メートル地点で、ポーターでパキスタン出身のモハメッド・ハッサン氏が岩棚から転落して負傷した。
その日に撮影された写真には、急な尾根に横たわる人物のそばを、ハリラ氏ら登山家が通り過ぎているように見える様子が写っている。
ハリラ氏と同じ日にK2に登っていたオーストリアのフィリップ・フレーミッヒ氏は、ハッサンが他の登山家によって見捨てられたと証言。「ドローン映像にはすべてが記録されています」とテレグラフに語っている。
「一人が治療している間、他の人々は頂上に向かって進んでいました。シェルパや山岳ガイドが現場にいながら、組織的な救助活動が行われていませんでした」
また、フレーミッヒ氏とともにK2に登っていたヴィルヘルム・シュタインドル氏は「もし彼が西洋人であれば、すぐに救助されていただろう」と主張している。
一方、ハリラ氏は8月10日にこの告発を否定し、「自分やチームはハッサン氏を助けようとしたものの、危険すぎる状況で動かせなかった上、ハッサン氏は手袋やダウンジャケットを身につけておらず、酸素ボンベも持っていなかった」とテレグラフに主張した。
「何もしなかったというのは、事実とは異なります。私たちは1時間半にわたって彼を背負おうとしました。私の撮影スタッフはさらに1時間残り、彼の世話をしました。一度も彼を一人にしていません」
「状況から考えて、彼を救うのは難しかったと思います。山で一番危険な場所で落下し、道の狭さや雪の状態から人を運び出せる可能性は限られていました」
K2はその険しさと頻繁に起きる雪崩から世界で最も登山が難しく危険な山の1つとされており、2008年8月に起きた事故では、少なくとも11人が登山中に亡くなった。
この時の事故は、山で最も危険とされる「ボトルネック」と呼ばれる場所で発生したが、ハッサン氏が転落したのも、同じエリアだった。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。