巨大な「うんこ」が置かれたブロンズの机。一体これは?
アメリカ・ワシントンD.C.にある連邦議会議事堂の向かいに10月24日、2021年1月6日に議事堂を襲撃した人々を“称える”風刺アートの記念碑が設置された。
記念碑は、机の上に絵文字スタイルの巨大な「うんち」と民主党ナンシー・ペロシ議員のネームプレートが置かれており、台座のプレートには次のように書かれている。
この記念碑は、選挙結果を覆すために2021年1月6日にアメリカ合衆国議会議事堂に侵入し、神聖な議事堂のあらゆる場所で略奪や排尿、排便をした勇敢な男女を称えています。
トランプ大統領は、これらの1月6日襲撃事件の英雄たちを「素晴らしい愛国者」や「戦士」として称えています。この記念碑は、彼らの大胆不敵な犠牲と永遠に続くレガシーの証です。
記念碑の近くの車の中で待機していたセキュリティガードのリカルドさんによると、設置したのは「シビック・クラフティング」という団体だ。
24日の午前8時に設置され、7日間設置する許可を得ているという。
リカルドさんは、記念碑に対する反応について「通り過ぎていく人たちは、うんこのように見えることに気づくと戻ってきて写真を撮ります。その時にプレートを見て、ようやく何を意味しているかを理解しています」と語った。
記念碑はブロンズ像のように見えるものの、近づいてみると非常に軽い発泡スチロールのような素材で作られていることがわかる。
ウィスコンシン州ウォキショーから来たという40歳のライアンさんは、9歳のヴィエナさんが「机の上にうんちが置かれている」と言ったので確認することにしたと話した。
「私たちは、『ガズデン旗の蛇だよ』と言ったのですがでやっぱりうんこでした」
ライアンさん一家は、バージニア州に住む兄ジェフさんの家に滞在中だという。ジェフさんは「これをやったのは誰か知らないが、国民的なヒーローだ」と笑いながら話した。
記念碑がウォキショーではどう受け止められるかと尋ねると、ライアンさんと妻のクリスティンさんは緊張した表情を見せた。
「私たちはウィスコンシンで一番保守的な地域に住んでいるので、あまり好意的には受け入れられないと思います」とライアンさんは述べた。
「ウィスコンシン州で最も保守的な地域にいると、自分が部外者のように感じます」
しかしライアンさん自身は「個人的にはかなり良い」と受け止めているという。ヴィエナさんは「誰かが机の上にうんちを置いた」と感想を口にした。
取材に応じた一家全員が、名字を出さないことを希望し、現場にいた別の記者の写真撮影も断った。
ジェフさんは「私がこうなったのはこの国の政治のせいです。名前を出して自分の意見を言うことさえ安全だと感じられなくなってしまった」と語った。
2021年1月6日の襲撃事件では、「大統領選挙で不正があった」と主張するトランプ氏の支持者の一部が議事堂に乱入し、廊下やオフィスに排泄物を残していったと報じられている。
連邦裁判所に提出された文書によると、フランシス・コナーという人物は襲撃事件の後に「自分は議事堂にいたんだ…ペロシの机でクソをした…捕まえに来いよ。トランプが大統領じゃないなら生きる意味がない」と Instagramのグループチャットに書き込んだとされる。
コナーは議事堂で治安を乱す行為や違法侵入で2022年4月に有罪を認め、12カ月の保護観察処分になった。
1月6日の襲撃事件に関与したとして、これまでに1000人以上が有罪になっている。司法省はトランプ氏も起訴しているが、11月の大統領選挙前に裁判が行われることはない。
襲撃事件の後、連邦議会は議事堂を守った警察官を称える記念プレートを設置する法案を可決した。
プレートは議事堂の西側正面に置かれる予定だったが、トランプ氏を支持する共和党のマイク・ジョンソン下院議長は未だに設置していない。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。