新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン候補の最大規模の治験が米国7月27日に始まった。製薬会社Moderna(モデルナ)が3万人の参加が想定されているボランティアの一部にワクチンの接種を開始している。治験は盲検テストで、参加者にはワクチンかプラセボ(偽薬)が接種される。各参加者への接種は2回行い、通常の生活の中でどちらのグループが新型コロナ感染の影響をより受けるか研究する。
治験は全米70カ所以上で行う。最初の治験場所はジョージア州サバンナだ。参加者の構成は、新型コロナの影響が深刻な地域やさほど影響が深刻ではないエリアを含めたさまざまな地域の在住者であるばかりでなく、人口統計的にも幅広いサンプルになるようになっている。
Modernaの治験は米国立衛生研究所(NIH)との提携のもとに行われ、これまでで最も早く進められているワクチン開発となる。同社のワクチン開発が始まってからまだ2カ月しか経っておらず、初の治験は実施済みだ。第1段階のテスト(小規模での治験)の初期データでは、実際に感染からの保護を示す有望な結果が示された。ただ、効果について最終的な結論を下す前に今回のような大規模治験は必須だ。
ワクチンが本当に効果があることを確認するのに加え、大規模治験では接種が安全であることを証明する意図もある。初期の治験結果では一部で副作用がみられた。しかし繰り返しになるが、それなりの規模で試すまでは副作用について最終結論を出すことはできない。
他のワクチン候補の治験も迅速に進んでいる。ここには、オクスフォード大学が開発したものも含まれる。Modernaは以前、すべてが順調に進んだ場合、2020年秋にも医療従事者向けに実験バージョンのワクチンを提供できるかもしれない、と話していた。
(2020年7月28日TechCrunchJapan「3万人が参加する最大規模の新型コロナワクチン治験をモデルナが米国で開始」より転載しました。)
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