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お正月の定番、お餅。
実は毎年、お餅を喉に詰まらせて窒息死する事故が相次いでいます。三が日だけで100人以上の死者が出ています。
内閣府が、餅が喉に詰まった際の対処法や、予防策について周知を呼びかけています。
餅が喉に詰まった際の、応急処置の方法は
万が一、一緒に食事をしている人が餅を喉に詰まらせた場合、気道を塞がれて窒息してしまう恐れがあります。
まずは早く気付き、応急処置をすることが大切だと、政府広報オンラインは呼びかけています。
餅を食べた後に声を出せずに喉をつかむ動作をしていたり、苦しそうにしている仕草が見られた場合、まずは呼びかけてみて、声が出せるかどうかを確認します。
咳ができる状態であれば、できる限り咳をさせます。難しい場合は「窒息」と判断して、周りに助けを呼んだり、119番通報やAEDの搬送を頼みます。
救助者が一人の場合は、詰まっている餅を出すことを優先します。気道を塞ぐ異物を取り除く「気道異物除去」を試みます。
「背中を叩く」「上腹部を突き上げる」2つの方法
餅を出す応急処置方法は2つ。
まずは、背中を強く叩いて詰まった餅を吐き出させる「背部叩打法」です。
手のひらの付け根部分で左右の肩甲骨の中間あたりを、数回以上力強く叩きます。
(動画:東京消防庁公式チャンネルによる「背部叩打法」の動画)
背部叩打法で餅が出てこない際には、「腹部突き上げ法」を行います。
相手の上腹部を手前上方に強く突き上げて、喉に詰まった餅を取り除きます。「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」と呼ばれています。
やり方は3段階。妊婦や乳児、高度肥満の人にはハイムリック法は厳禁です。
①相手の後ろにまわり、両方の手を脇から通し、ウエスト付近に手を回します。
②一方の手で握りこぶしをつくり、その親指側をへそより少し上に当てます。
③その握りこぶしをもう一方の手で握って、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
腹部突き上げ法では、腹部の内臓を痛める可能性もあるため、詰まった餅が出たとしても、医師の診察を受けたり、駆けつけた救急隊にその旨を伝えることが大切です。
(動画:東京消防庁公式チャンネルによる「腹部突き上げ法(ハイムリック法)」の動画)
餅で窒息死、三が日で127件、元旦だけで67件
厚生労働省の調査によると、2018〜2019年には年間661件の餅による高齢者の窒息死亡事故があり、うち46%は1月に集中していました。
1月の死亡事故数は282件。元旦だけで67件、三が日では計127件発生しました。
高齢者は噛む力や、飲み込む力が弱くなっているため、餅を食べる時には注意が必要です。
餅を詰まらせないための予防策は?
楽しい年末年始の事故を防ぐため、どのような対策が取れるのでしょうか。
政府広報オンラインでは、4つの予防策を呼びかけています。
①餅は小さく切って、食べやすい大きさに
②餅を食べる前に、先にお茶や汁物を飲んで喉を潤す
③急いで飲み込まず、ゆっくりと噛んでから飲み込む
④噛む力や飲み込む力が弱い高齢者などと食事をする際は、様子を見守り注意を払う