米メジャーリーグ、独立記念日の7月4日前後に開幕か。球団オーナーが合意と報じられる

試合は無観客、2020年シーズンに限りDH制をナショナルリーグにも導入する予定だという
USA TODAY USPW / Reuters

アメリカ・メジャーリーグ(MLB)の各球団のオーナーが、7月初旬をめどにリーグを開幕させる方向で調整しているとアメリカの複数メディアが報じた。

新型コロナウイルスの影響で、開幕が遅れているMLB。AP通信によると、各球団オーナーは5月11日、独立記念日に当たる7月4日の週末前後にスタートすることで合意した。

この決定について詳しい関係者が匿名で明かした、とAP通信は伝える。

オーナーらが合意した提案では、試合は無観客でスタートし、2020年シーズンに限り指名打者(DH)制をナショナルリーグにも導入する。

年間試合数を82に減らされる一方で、ポストシーズンに参加できるチームは、10から14に増やす。   

両リーグでのDH制の導入は、試合数が82に減らされ、アメリカンリーグとナショナルリーグの交流戦が増えることに関連しているとCBSは伝える。

82の試合では、選手の移動を減らすためにも東部、中部、西部の各地区間での交流戦が増える。そのため両リーグでのDH制の導入が好ましい、と同メディアは伝える。さらに、自宅待機期間が長かった投手を、怪我のリスクから守る目的もあるという。

春季トレーニングは6月の中旬に再開される予定で、7月14日に開催予定だったオールスターゲームは中止されるだろうと関係者はAP通信に語っている。

■議論になる可能性があるのは、給与と安全環境

オーナーらはこの案を、12日に選手会側に提案する予定だとESPNは伝えている。

話し合いで最も大きな議論になるのは、給与面だろうと同メディアは伝える。オーナー側は2020年の給与について、レギュラーシーズンとポストシーズンを合わせた収入を、選手側と半分に分けることを提案する予定だという。

また、どのように選手の安全を確保しながらリーグをスタートできるかも、話し合いの争点になるだろうとESPNは説明する。

安心して働ける環境の準備は、選手にとって大きな問題だ。

ワシントン・ナショナルズのショーン・ドゥリトール投手は、選手だけでなく関わるすべての人たちの健康を守れる環境が必要だ、とTwitterで訴えている。

Bear with me, but it feels like we've zoomed past the most important aspect of any MLB restart plan: health protections for players, families, staff, stadium workers and the workforce it would require to resume a season. Here are some things I'll be looking for in the proposal...

— Obi-Sean Kenobi Doolittle (@whatwouldDOOdo) May 11, 2020

「すいません、だけど私たちはMLB再開に当たって最も大事な要素をきちんと話し合えていない気がします。それは選手や家族、スタッフ、スタジアムで働く人たち、そしてシーズン開幕のために働くすべての人たちの健康を守ること。そのためにできることをいくつか考えてみました」

新型コロナウイルスの影響で、野球を含めて多くのスポーツが中止になったり、開幕が遅れたりしている。

その一方で、シーズンを開幕する動きもある。5月5日に無観客でスタートした韓国プロ野球では、少年が風船に入って始球式を行ったり、観客席にファンの顔を貼ったりと、ソーシャルディスタンスを取りながら試合を盛り上げる趣向が凝らされた。

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