三井不動産は「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」を理念に掲げている。
同社が創出の観点において特に注目しているのが、大きな成長が見込まれる宇宙・非宇宙分野のイノベーションだ。
最近では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携協定を結んでいる宇宙ビジネス共創プラットフォーム「クロスユー」と共に、宇宙産業におけるスタートアップエコシステム拡大に貢献するなど、積極的なアクションに乗り出してる。
日本初。JAXAからLP出資を受けるファンド
同社は6月14日、Frontier Innovationsによって組成された、Frontier Innovations1号投資事業有限責任組合への出資を発表した。
Frontier Innovations は持続的なベンチャーエコシステムの創出・育成・拡大を目指し、日本橋を拠点に活動をする独立系ベンチャーキャピタルだ。
本ファンドは、JAXAから日本で初めてLP出資を受けるファンドとしても注目されている。同社は今回の出資により、また新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」で掲げる事業戦略「三本の道」の「新事業領域の探索、事業機会獲得」の取組を推進する。宇宙・非宇宙分野におけるディープテックベンチャーを中心に、宇宙領域での新産業創造の加速を目指すという。
宇宙産業、2050年に200兆円規模に
クロスユー理事長の中須賀真一さんは、世界の宇宙産業の未来について「2050年に200兆円規模になる成長産業と言われている」とコメント。
さらに「宇宙産業領域の発展には産官学における連携に加え、既存の宇宙産業プレーヤーのみならず、非宇宙産業プレーヤーの参入を促進するオープンな共創が求められます。日本においてはそれぞれが継続的に時間を共に出来る『コ・ロケーション(複数のユーザーがデータセンター内のスペースを共有し、サーバーやネットワーク機器などを設置すること)』の場が必要とされており、そこで様々なプレーヤーが結びつくことで、オープンイノベーションが実現できます」と語り、多様なステークホルダーが結びつくことの重要性を強調した。
今後、宇宙産業にはどのような企業がどのような形で参入し、どのような産業が創出されていくのか。一層の注目が集まっていきそうだ。