ミス・ペルーを決めるコンテストで、ファイナリストの女性たちが、女性への暴力に抗議する異例のアピールを行ったことが話題になっている。
コンテストは、10月29日夜に首都のリマで行われ、テレビ放送されていた。
ゴージャスな金色のワンピース姿でステージに並んだ女性たち。1人ずつ前に出て、名前とバスト、ウェスト、ヒップの3サイズを発表するお決まりの流れを破り、このように話し出した。
「私はリマ代表のカミラ・カニコバです。私のサイズは...私の国では、過去9年間で女性が犠牲になった殺人事件が2202件発生しました」
そして、女性たちは次々にこう続けていった。
「私のサイズは...今年すでに、女性82人が殺され、156件の女性に対する殺人未遂事件がありました」
「私のサイズは...5歳以下の女児が被害にあった事件では、加害者の81%家族などの近親者です」
「私のサイズは...性的搾取によって、10分に1人の割合で、女性が亡くなっています」
「私のサイズは...私たちの国では、70%以上の女性がストリートハラスメント(街頭での嫌がらせ)の被害に遭っている」
「私のサイズは...6573件の女性に対する暴力が、私の地域では確認されています」
BBCによるとペルーではジェンダーに基づく暴力が大きな問題となっている。アメリカ市民安全保障監視所の調査で、ペルーは南米で、ボリビアに次いで2番目に女性への暴力が頻発する国になっている。
また、ガーディアンは、ミスコンテストの開催自体もまた、性差別的だとする批判の対象になっていた。
しかし、ファイナリストになった女性たちは、暴力の被害を受けている女性に対してこのコンテストをささげようと、主催者側と話し合ったという。ファイナリストたちは11月、リマで暴力に対する抗議デモの開催を予定しているという。
コンテスト主催者でもあるジェシカ・ニュートン氏(1987年のミス・ペルー)はAFPの取材に対して暴力の犠牲になった女性たちは、今回のコンテスト参加者も例外ではないと話した。
そして、コンテストに出場した150人のうち、5人がレイプを含む暴力の被害を経験していると明かした。
性の被害は長らく、深い沈黙の中に閉じ込められてきました。
セクハラ、レイプ、ナンパ。ちょっとした、"からかい"。オフィス、教室、家庭などで、苦しい思いをしても私たちは声を出せずにいました。
いま、世界中で「Me,too―私も傷ついた」という言葉とともに、被害者が声を上げ始める動きが生まれてきています。
ハフポスト日本版も「Break the Silence―声を上げよう」というプロジェクトを立ち上げ、こうした動きを記事で紹介するほか、みなさんの体験や思いを募集します。もちろん匿名でもかまいません。
一つ一つの声を、確かな変化につなげていきたい。
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