メキシコで9月7日夜に、マグニチュード7.0の地震が発生した。地震は、観光地アカプルコの北西約17キロの場所で発生。大規模な停電も生じた。
この地震の直後に、アカプルコでは空が様々な色の光で照らされる珍しい現象が報告された。
現地で撮影された映像には、地震で揺れが生じた直後に、空が青や白やピンクの光で照らされる様子が映っている。動画が投稿されると、スペイン語で「世界の終末」を意味する#Apocalipsisがトレンド入りした。
まだ謎に包まれている現象
地震の時に、光が発生する現象はこれまでにも報告されており「地震発光現象」と呼ばれている。
この現象について、詳しい科学調査はまだほとんど実施されていないが、岩石の摩擦によって光が発生しているのではないか、と考える研究者たちもいる。また、2017年にメキシコで地震が起きた時にも、似た現象が確認された。
これまでに様々な「地震発光現象」が報告されているものの、アメリカ地質調査所は「実際にどれが地震発光現象なのかについて、地球物理学者たちは意見が異なる」と説明している。
同調査所によると「どの報告も証拠が十分ではない」と考える研究者もいれば「報告されている現象のうちのいくつかは、地震発光現象だ」と考える研究者もいる。
また、地震発光現象だと考えられたケースの中には、送電線の揺れで放出された電気と関連していたケースもあったという。
これまでに1人の死亡が発表される
7日の地震では、これまでに1人の死亡が発表されている。また建物の倒壊や倒木も報告された。
地震発生当時、映画館にいたという地元の人は「地震警報が鳴らなかったため、地震発生と同時に揺れを感じました」とロイターに地震のショックを語っている。
また、アカプルコの住民はAP通信に「建物や窓が大きな音をたてました。室内では物が落下して、停電が発生しました。水漏れの音やプールから水があふれる音、恐怖を感じた人たちの叫び声が聞こえました」と、地震直後の混乱を振り返っている。
アカプルコから約370キロ離れた首都メキシコシティでは、大きな影響はなかったが、一部では1分近く揺れを感じたことが報告されている。
また、メキシコ電力公社CFEによると、メキシコシティだけではなく、ゲレロ州、モレロス州、オアハカ州などで約160万人が、停電の影響を受けた。
ハフポストUK版の記事を翻訳しました。