2018年のノーベル平和賞の受賞者が10月5日に発表された。
発表に先立ち、イギリスのブックメーカーやオスロ平和研究所などが受賞者予想をあげる中で、見事に的中させたのは、最有力候補に「#metoo」を挙げていた地元ノルウェーの公営放送「NRK」だった。
#metooは、性暴力の問題に光をあて、被害者をつなげるハッシュタグで、アメリカの人権活動家タラナ・バークさんが2007年に始めた運動。
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2017年にハリウッドのプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行問題が明らかになった後に、俳優のアリッサ・ミラノさんが、セクハラや性的暴行の被害者に向けて「"Me too(私も)"と声をあげて」呼びかけたことで、爆発的に広がった。
一方で、NRKが #metooの受賞者として予想したのは、過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束されたイラク・クルド民族少数派ヤジド教徒のナディア・ムラド氏、イラクで女性たちにシェルターを提供してきた人権活動家のヤナル・ムハンマド氏、コンゴ民主共和国で性暴力被害者への医療に取り組んできた、婦人科医師のデニ・ムクウェゲ氏の3人。
このうち、ムラド氏とムクウェゲ氏が実際に受賞し、見事に予想が的中した形となった。
NRKは、「#metoo」の他に、2.「圧力下での報道の自由」、3「難民危機」、4「人権擁護者」、5「隣国との関係改善」も候補にあげていた。
またオスロ平和研究所は、「#metoo」という文言は使っていなかったが、第2候補としてムラド氏とムクウェゲ氏、タラナ・バークさんの名前をあげていた。