今、メンズネイルがアツい。
このトレンドをいち早く取り入れてきたのは、今やジェンダーニュートラルファッションの「神」的存在であるハリー・スタイルズさんだ。
彼は、スマイルフェイスから控えめで落ち着いたアースカラーまで、さまざまなデザインを楽しんでいる。2021年には自身のビューティーブランドも発表し、ネイルポリッシュも販売しているほどだ。
マニキュアを楽しんでいる男性は彼だけではない。俳優のブラッド・ピットさんや元NBA選手のドウェイン・ウェイドさんも指先のおしゃれをエンジョイしているし、プエルトリコ出身のラッパー、バッド・バニーは主張の強いネイルで知られている。
バッド・バニーに関しては、マニキュアをセルフケアの一部として強く支持しており、「男性」という理由で彼へのサービスを断ったスペインのネイルサロンを非難したこともある。
「男だってセルフケアするんだ。無知はやめて、オープンマインドで考えようよ。今は2018年で、僕らは平等であるべきだ」と当時Refinery29のインタビューで語っている。
ロサンゼルスに拠点を置くネイルアーティストのブリットニー・ボイス氏は、ネイル好きの多くの男性セレブをクライアントに持つ。ガイコツ柄や凹凸のある縞鋼板など、さまざまなアートを指先に施してきた。
その中でも、ラッパーのマシン・ガン・ケリーは最も冒険好きな男性クライアントだという。
「彼は、いつもすごくクールなデザインに挑戦したがります。メタリックや、長く尖ったブライトピンクの爪にチェーンやスパイクをあしらったもの、抽象的なチェック柄や、3万ドル(約400万円)分のダイヤモンドを散りばめたネイルなんかも」
なぜメンズネイルが流行っているのか?ボイス氏は、80年代のデビッド・ボウイや90年代のカート・コバーンもネイルを施していたと述べ、こうした昔の流行の再来が大きなトレンドの一部だという。2022年の今や、シスジェンダーで異性愛者を自認する男性でも、ジェンダーフルイドなファッションに自由に挑戦しているのだ。
「この流行は、70年代を思い起こさせます。ハリー・スタイルズの他にも、2021年METガラでのドレス姿のピート・デイビッドソンや、レッドカーペット上のビリー・ポーターのファッションとかもそうです」
セレブ以外の男性がサロンに来て、ちょっとしたネイルケアを求めることも増えているという。
ロサンゼルスのネイルアーティストでハリー・スタイルズさんのビューティーブランドにも関わっているシガニー・ヌニェズ氏は、新型コロナウイルスのパンデミックや政治的な混乱が、男性たちが自分をケアすることの大切さに気づく環境を作り出したと考えている。
「私たちの多くは、人生で何が大切なのかを考え直しています。この騒動の中で、セルフケアはこれまで以上に必須なものとなっていて、マニキュアはまさにその手段の1つなんです」
ヌニェズ氏は、女性客よりもネイルサービスを楽しんでいる男性客もいるという。
「反応でいうと、男性クライアントはキューティクルケアをする時に笑ったり、喜んだりすることが多いです。きっと、今まで経験したことのないようなリラックスした感覚だからでしょう。とても可愛いですよ」
では、男性にはどのようなデザインが人気なのだろうか?ヌニェズ氏は、複数の色を使用したネイルが好まれているという。
「もっと凝ったネイルデザインへの入口みたいなものですね。いろんな色を指先に纏うことに慣れたら、ミニマルデザインを試して、そこからネイルの冒険の始まりです」
自宅でセルフネイルをする男性には、ネイルステッカーが人気だそうだ。
ロンドンのネイルアーティスト、ロビー・トムキンズ氏は、男性はネイルデザインについて少しずつ学びながら、挑戦していると考えている。
「男性はまず、自爪のクリアな部分を活かしたネガティブスペースやミニマルなデザインを好みますが、より多くのカラーにも挑戦しています。以前は、爪を磨く程度か、カラーを塗っても黒かダークブルーでしたが、最近はネイルアートを施した明るいネイルにシフトしています。とにかく個性が全てですね」
「ネイルアートをしてるなんて想像できないような人たちもやっているんです。そろそろ流行してもいいタイミング。このトレンド最高!」
また、ホノルルのネイリスト、ノエル・フユ・ムーア氏は、メンズスタイルが全体的に「ジェンダーニュートラルでアンドロジナス」なトレンドに向いていることから、男性のネイルアートが増えてきているのではないかと話す。
ここからは、ジェンダーニュートラルでクールな男性ネイルを紹介しよう⬇︎
・マルーン5のシンガー、アダム・ラヴィーンの「バラネイル」
ロサンゼルスのネイルアーティスト、キム・チャン氏が施した、アダム・ラヴィーンさんのネイル。「彼には娘さんがいるので、彼女のネイルに合わせたり、色を選んでもらったりしていてかわいいですよ」とチャン氏は話す。
・リル・ナズの「名前ネイル」
フアン・アルベア氏による名前ネイルは、自分に自信があるからこそできる。
・ハリー・スタイルズの「マルチカラーネイル」
2019年のMetガラでのロンドンのネイリスト、ジェニー・ロングワース氏がハリー・スタイルズさんに施したマルチカラーネイル。「彼は究極の現代のネイル・アイコンです。若い男性がネイルに挑戦し始めているのが嬉しいです」とロングワース氏。
・マシン・ガン・ケリーの「白黒グラフィックネイル」
2021年のビルボード・ミュージック・アワードでのマシン・ガン・ケリーのネイルは、比較的控えめなデザイン。
・ASAP Rockyの「ピエロネイル」
ナオミ・ヤスダ氏によるピエロネイル。ロンドンのネイリスト、ロングワース氏は、「男性は、すごく細かいデザインが好きなようですね。どこかパンクで、反抗的で、それを表現できるところが好まれているのでしょう」と語る。
・俳優セス・ローガンの「ねばねばネイル」
ローガンさんのねばねばネイルは、マキシマリストとして知られるネイリスト、メイ・カワジリ氏によるもの。「私の男性クライアントは、3Dや色んな形や長さなど、大胆なデザインに挑戦することを臆さないですね」と語る。
・デザイナー、マーク・ジェイコブズの「宝石ネイル」
これもメイ・カワジリ氏によるもの。「ネイルは毎日自分を表現するという意味で、タトゥーのようなもの。自分のスタイルをもっとユニークでカジュアルに見せられると思います」
・『クィアアイ』のジョナサン・ヴァン・ネスの「犬猫ネイル」
・何でもありネイル
・パールネイル
・ハート&スマイルネイル
・レインボードリップネイル
・ディテールデザイン
・カップルでのマッチングネイル
・ぐるぐるネイル
・マットネイル
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。