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明治時代に目撃された謎の巨大生物が、映画『シン・ゴジラ』に出てくる怪獣そっくりとSNS上で話題だ。
この映画に登場する怪獣の第2形態は、出現地点から「蒲田くん」の愛称で有名だ。当時の新聞に掲載されたイラストが、蒲田くんによく似ていたのだ。
「これは確かに蒲田くん…」「明治42年にもゴジラ来てたんだ…」「体型はまだしもなんでお目々や顔つきまでビンゴなの」と反響を呼んでいる。
■イギリス汽船の船員らが台湾近海で目撃。新聞記事になっていた
この謎の生物について報じたのは、明治42年3月5日付の東京朝日新聞だ。「台湾近海の怪獣」という見出しでイラスト付きで報じている。同月3日に横浜に入港したイギリス汽船の船長に取材した内容が、以下のように書かれている。(※読みやすいように読点を追加した)
<新嘉坡(シンガポール)より香港を経て、一昨三日横浜へ入港せし、英国汽船サンタル号の船長ハーバード氏の直話に依れば、同船航海の途中、台湾近海通過の際、本船より約廿(二十)間許(はか)り隔てし、海面に高さ十五呎(フィート)長さ二百呎(フィート)位なる一種不可思議の動物、水平面に遊泳し居るを認め、船員一同奇異の感に打たれ、模写したる見取図、左記の如くにして、背中一円「トゲ」の如きもの生え居りて、世界の海獣中には勿論(もちろん)、魚族中にも未だ嘗(かつ)て見たることも聞きしこともなき動物なりしと云う>
つまり、サンタル号が台湾の近くを航海中、船から36メートルほど離れた水面に、高さ4.5メートル、長さ60メートルくらいの巨大な生物が泳いでいるのを船員一同が目撃したのだという。イラストには、つぶらな瞳を持ちギザギザの歯をもつトカゲのような頭と、背中にトゲのような生やした胴体が確認できる。まさに『シン・ゴジラ』の蒲田くんだ。
■「マジで蒲田くんしか思いつかないな」とぬまがさワタリさん
この怪獣を湯本豪一さんが『日本幻獣図説』(講談社学術文庫)で取り上げたところ、『ゆかいないきもの超図鑑』(西東社)などの著書があるイラストレーター、ぬまがさワタリさんがTwitterで5月7日に紹介。
「これは…蒲田あたりに出現しそうな…」とコメントしたところ、13日現在で4000件の「いいね」がつくなど大きな反響を呼んだ。
「これ何かの動物を見間違えたのかな?と真面目に考えてみたが、シルエット的にも類似動物(?)がマジで蒲田くんしか思いつかないな」と、ぬまがささんも戸惑っている。