複数の女性職員へのセクシャル・ハラスメント疑惑が浮上している東京都狛江市の高橋都彦市長が5月22日夕、辞任する意向を示したことが、市秘書広報室への取材で分かった。
市秘書広報室によると、セクハラの被害者4人が実名で書いた抗議文を、企画財政部長を通じて提出したのを受け判断したという。報道陣に対し、「抗議文を受け取って、真摯に受け止めなければならない」と話した。NHKによると、支持者らと相談した上で、6月4日に議会に辞意を伝える考えを示した。
高橋市長の疑惑を巡っては、セクハラ行為が伺われる文書が情報公開請求で公表され、これをきっかけに議会が追及していた。
5月18日、市幹部らは臨時庁議を開き、高橋市長が腰に手を回したり、手を握ったりするなどのセクハラ行為を行っていたことが確認できたと認定。「職員は誰もあなたのことを信用していませんし、ついていこうなんて思う者は誰もいないと思います」と辞職を求めていた。
それでも高橋市長は、セクハラ認定が公表された21日に市役所で会見した際、疑惑については「行き違い」「勘違い」と否定し、「進退は全く考えていない」と辞任も否定していた。また、「あの市は、市長がセクハラ疑惑があるんじゃないかと外部から見られている。信頼回復にあらゆる努力をする」と語っていた。
セクハラの被害者が22日に提出した抗議文は、以下の通り。
高橋郁彦市長
昨日の記者会見に対する抗議について
3月議会からの一連の市長の発言に対して、今までずっと動向を伺っておりましたが、昨日の記者会見での発言は、職員を守るべき立場の人の発言とは思えず、とても憤りを感じました。
勇気をふるって証言をした職員に対し、「思い込みが激しい」「トラブルを起こす」など、市長としての発言とはとても思えず耳を疑いました。どのようにしてその職員を特定し、その被害者に対してなぜそのような発言をされたのか理解に苦しみ、真摯に受け止めていらっしゃるとは思えません。
私たち4人が市長から以下のセクハラを受けたことは事実です。
・車内で手を握られたこと
・宴席でお尻を触られたこと
・市長の公用携帯電話から、仕事と関係のない不愉快なメールを送りつけられたこと
・随行先で1時間に渡り、腰に手をまわされたり、お尻を触られつづけたこと
・エレベーター内で腰を引き寄せられ、体をぴったりとつけられたこと、このような行為が1年に渡り続いたこと
私たちはその都度、副市長や職員課・相談員に相談しました。
働けなくなることを危惧して、穏便に事をすませた職員もいますが、最近の市長の言動には怒りを禁じえないと憤っています。また被害を受けながら、声を上げていない職員もいます。
今までは沈黙していましたが、もう我慢できません。謝罪の言葉も口にされない市長の下では、私たちは一緒に働くことができません。
事実を明らかにし、被害を受けた職員に、まずは公に謝罪することを望みます。
平成30年5月22日
(黒塗り)
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*5月22日午後6時40分、被害者からの抗議文を更新した。