LGBTなど性的マイノリティの可視化や理解を深める「丸亀レインボーパレード」が8月25日、香川県丸亀市で開催された。
中四国初となるパレードは、丸亀市では毎年恒例の「まるがめ婆娑羅(ばさら)まつり」と同時開催。香川県にはパレードをやりたいという声は以前からあったが、実現の鍵となったのは地元のお祭りだった。
パレードの話を香川のLGBTコミュニティにもちかけたのは、丸亀商工会の矢野秀典さん。矢野さんはLGBT当事者ではないが、当事者の友人がいる。ばさらまつりが20周年を迎えるのに合わせて、「ゼロをイチにするには壁がある。反対や反発する人も当然いると思うけれど、頑張ってやれば、それが道になる。地域を支える青年経済人の1人として先導者たる気概で動いた」と言う。
丸亀レインボーパレード代表の藍川逸美さんは、パレード開催をためらう当事者もいたと明かす一方で、「身近なところでLGBTの人たちは存在するというのを、一番可視化できるのがパレードだ」と感じたと言う。
「都会ばかりにLGBTがいるのではなくて、地方にも身近な所にも、隣の隣にいる人がそうかもしれないというの知ってもらいたくて」
丸亀市では2018年、同性カップルを結婚に相当するパートナー関係として認めるパートナーシップ制度の導入が検討されていたが、市議らが「勉強不足」を理由に反発し、市議会で議論が進んでいない。
色々な人が身近に感じられるお祭りを通して、LGBTの人たちの存在も身近に感じてほしいと話す藍川さん。同時に、パレードを差別や偏見を怖れカミングアウトできない当事者への励ましや、近隣の地域への刺激にもしたいと言う。
「怖がらなくてもいいんだよっていうのを、私たちオープンにしている人たちは言いたいし、怖がっている人たちがいるから、理解してくれる理解者の人たちを増やしたい。アライの人たちにも、普通に接してくれたらいいよというのを伝えたいですね」