アメリカ・ノースカロライナ州副知事で、11月に行われる知事選挙の共和党候補に指名されているマーク・ロビンソン氏は、これまで何度も女性蔑視やトランスジェンダー嫌悪の発言が批判されてきた。
そのロビンソン氏が約10年前にポルノサイトに問題発言を投稿していたとCNNが報じ、物議を醸している。
CNNによると、ロビンソン氏はポルノサイトで自らを 「黒人のナチス」と呼び、シャワーを浴びている女性をのぞき見して興奮した経験を明かしていた。
一方、ロビンソン氏は報道の内容を否定しており、知事選から撤退しない意向を示している。
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CNNの報道が伝えたロビンソン氏の発言
ロビンソン氏は19日、CNNの記事が掲載される前に「事実ではない」と動画で否定する声明を出した。
「安心してください。記事に書かれているのは、マーク・ロビンソンの発言ではありません」
「皆さんは私の言葉や性格を知っています。私がこの選挙、それ以前から完全に透明性を保ってきたこともご存じのはずです」
ロビンソン氏は記事を批判する一方で、具体的に何が書かれているかについては触れていない。
CNNによると、ロビンソン氏は2008〜2012年にかけて、ポルノサイト「ヌード・アフリカ」に淫らなコメントや、侮辱的な発言を何度も投稿していた。
そのうちの一つでは、14歳の時にジムでシャワーを浴びる女性たちを通気口からこっそり「のぞき見」した経験を明かし、「1時間ほど座って、何人かの女の子たちがシャワーを浴びに入ってくるの眺めていた」と書き込んでいたとされる。
「翌朝ものぞきに行った。でもその後、はしごに鍵がかけられていた!だから、その2回しかできなかったんだ!ああああ何という思い出だ!!!!」
また、ロビンソン氏はこれまでトランスジェンダー嫌悪の発言を繰り返しているが、ポルノサイトでは「女向けのポルノでトランスジェンダーを見るのが好きなんだ!めちゃくちゃセクシーだ!男を手放しつつ、男が残っている!そう、俺も“変態”なんだ!」ともコメントしていたという。
ほかにも、ロビンソン氏はポルノサイトで自らを「黒人のナチス」と呼び、奴隷制復活への支持を表明していたとされる。
女性蔑視、トランスジェンダー嫌悪で知られるロビンソン氏
ロビンソン氏は極右保守派の政治家で、何度も女性を見下す発言をしてきた。
2024年2月には、女性用トイレを使用したトランスジェンダー女性は逮捕されるべきだと主張。トイレを使う必要がある時には「どこか外の隅に場所を見つければいい」と発言した。
カロライナジャーナルは、ロビンソン氏に対し、自身のスタッフや共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏の陣営から立候補辞退を求める圧力がかかっていると報じている。
ただし、ノースカロライナ州の知事選挙の立候補取り消し期限は19日夜であり、今から撤退を表明してもロビンソン氏の名前を投票用紙から消すことはできない。不在者投票は20日に送付が開始される。
ロビンソン氏が撤退しないことは、民主党にとって有利に働く可能性もある。
ノースカロライナはアメリカ大統領選挙の行方を左右する激戦州の一つだ。民主党はロビンソン氏の支持率が低迷することで、民主党の大統領候補カマラ・ハリス氏が同州で勢いづくことを期待している。
ロビンソン氏の対立候補である民主党のジョシュ・スタイン州司法長官の選挙陣営は、CNNの報道について、「ノースカロライナ州の人たちは、マーク・ロビンソン氏がまったく知事にふさわしくないことをすでに知っています。ジョシュはこの選挙に勝利して、すべての人のためにより安全で強固なノースカロライナ州を築くことに集中しています」というコメントを発表した。
ノースカロライナ州選出の共和党議員パトリック・マクヘンリー氏は、報道についてただ一言「良くない」とハフポストUS版に述べた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。