恐怖で泣き叫びながら必死に逃げる子どもを、頭上から急降下して何度も攻撃する一羽の鳥。
オーストラリアでマグパイ(カササギフエガラス)と呼ばれる鳥は、春先に最も恐れられている動物だ。
それを証明するのが、ウェイン・シャーウッドさんが投稿したこの動画。シドニーの南にあるイラワラ湖近くで、キックスケーターに乗っていた息子がマグパイから執拗に攻撃されている場面をとらえた。
「オーストラリアは美しい国ですが、野生の鳥たちは恐ろしい。生きた子どもを襲って食べようとする。だから気をつけて笑😂」とシャーウッドさんは冗談交じりにコメントしている。
マグパイは春先の繁殖シーズンに、巣を守るために人間を攻撃することがある。
多くのオーストラリア人は同情を示すと同時に、「毎年の恒例行事」「37年間見てきた中で、一番いい攻撃」など、これは春先によく見られる行動だということを、コメント欄で説明している。
動画はTwitterでもシェアされ、多くの人たちが反応している。
ツイート「これはオーストラリアの全ての子ども達が、春になるたびにする経験。マグパイは巣作りの時期にとても凶暴になり、特に自転車やキックスケーターに乗っている子どもたちを攻撃します。自転車での登校は悪夢です。多くの人たちが先の尖ったものを、ヘルメットにつけています」
ツイート「マグパイは1年のうちのある時期、近づく人たちは自分を攻撃していると思い込みます。急降下して襲われれるのはめちゃくちゃ恐怖ですよ」
マグパイが人間を攻撃するのは子育てをする約6週間で、通常春の初めだ。とはいえ、マグパイが突然人間を襲うことはほとんどない。
一般的に、マグパイは巣がある木から100メートル離れた場所にいる人間を攻撃する。攻撃するのはオスで、巣を守るための行動だ。
また、マグパイは敵を記憶する能力に優れており、一度敵と認識すると一生忘れないと言われている。
オーストラリアでは、春の始まりはマグパイから頭を守るシーズンの始まりでもある。
時に出血するほど激しく攻撃されることもあるため、オーストラリアの人たちの多くは9月になると、アイスクリームの容器や後ろに目が描かれた帽子、先の尖った物体をつけたヘルメットなど、様々な物で頭を守る。
マグパイ攻撃がトラウマになってしまったのではないかと心配だが、シャーウッドさんたちは親子でもう一度挑戦することで、恐怖を克服したようだ。
ハフポストオーストラリア版の記事を翻訳・編集しました。