「私たちはこれ以上、痩せ過ぎのモデルを使わない」
グッチなどを抱える「ケリング」と、ルイ・ヴィトンなどを抱える「LVMH」は世界最大級のファッション企業だ。共にパリに本社を置いている2社がタッグを組み、思い切った決断をした。
憲章によると、両社は今後フランスのサイズ基準で女性はサイズ34以上、男性はサイズ44以上のモデルのみを起用する。また、16歳以下のモデルは起用しない。
近年、ファッションブランドが痩せ過ぎのモデルを起用することに対して批判が高まっている。モデルたちの健康問題を引き起こすだけではなく、若者に現実離れしたボディイメージを植え付けたり、摂食障害の引き金になる可能性があるためだ。
フランスでは2017年5月、極端に痩せているモデルの活動を禁止する法律が施行された。この法律で、モデルはBMI(肥満度を示す体格指数)が低すぎず、健康体であることを証明する医師の診断書を提出するよう義務付けられた。
LVMHとケリングは、ファッション業界のリーダーとしてこの問題に積極的に取り組む責任があると感じたとしている。
ケリング会長のフランソワ=アンリ・ピノー氏は「この憲章が、ファッション業界全体にとって刺激となり他のブランドが続くことで、モデル全員の働く環境が改善して欲しい」とコメントしている。
また、LVMHの取締役のアントワーヌ・アルノー氏は「モデルの心と体の健康は、私たちにとって、大変重要です。高級ブランドのリーダーとして、私たちはこの問題の先駆者にならなければいけないと考えています。私たちが、ファッションの新しいスタンダードを作らなければいけません」と綴る。
LVMHはルイ・ヴィトンやディオール、フェンディ、マーク・ジェイコブスやケンゾー、ケリングはグッチやサン・ローラン、バレンシアガなどの世界的に有名な高級ブランドを傘下に置く。
今回の憲章は、両者が保有する全ブランドに、世界中で適用される。これだけの大きな影響力をもつブランドが、イニシアチブをとったことは、モデルのあり方を見直す世界的に大きな動きにつながるかもしれない。
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