「選挙に行かない理由」を片っ端からぶった切って論破してみた

投票率が低いのは「誰かのせい」ではない。

投票率が「低い」ということはほとんどの方が知っているでしょう。しかしながら、「なぜ投票に行かないのか?」との理由を考えたことのある人は少ないかもしれません。そこで今回は、「明るい選挙推進協会」が発表しているアンケート調査の結果を基に、「なぜ投票に行かないのか?」を考えてみます。

<使用するデータ>

一昨年の衆議院選挙の際に選挙に行かなかった方を対象としたアンケート調査。複数回答可なため、合計が100%を超える。

■ 問題は政治家にあり!

投票に行かなかった理由として最も多かったものは、「適当な候補者も政党もなかったから」の26.1%。要するに、「入れたい政治家がいない!」ということです。これは政治家側の問題。有権者が応援したくなるような政策やビジョンを打ち出せていないことを表しているのでしょう。

■選挙は難しい・・・これは解決できる!

3位には

 ◯政党の政策や候補者の人物像など、違いがよくわからなかったから

という理由が入っています。

確かに、候補者ごとの違いを見抜くことは難しいですし、そもそも候補者の情報は「選挙公報」や街中で配っているチラシを貰ってきて自分で読む、など、かなりハードルが高いです。

例えば、選挙管理委員会やNPOなどが、「絶対に分かる候補者まとめ!」のような「分かりやすい候補者比較」を作るのはどうでしょうか。

そうすれば、この理由はなくなり、選挙へ行く人が増えるかもしれません。

■ 4位以下に続く、選挙への無関心・・・これも解決できる!

4位から

 ◯選挙に関心がなかったから(4位)

 ◯選挙によって政治はよくならないと思ったから(5位)

 ◯私一人が投票してもしなくても同じだから(7位)

といった理由が続きます。

これらは共通して、「選挙の価値を理解できていない」ということです。選挙は政治に直接参加できる機会ですし、確実に将来を作る行為なのですが、どうしても投票の価値がピンと来ないのでしょう。

しかし、これも解決できるでしょう。例えば、僕は「自分の1票の値段を知ろう!」という企画を行いました。衆議院選挙では、自分の1票は360万円の価値があります。

(国家予算×衆議員の任期4年÷有権者数=360万円)

こう言われるだけで、少しは自分の票の価値が分かるのではないでしょうか。

■ 投票率が低いのは「誰かのせい」ではない

投票に行かない理由には大きく

・ 政治家側に問題がある(例:良い政治家がいない)

・ 選挙制度と選挙を取り巻く環境に問題がある(例:選挙がよく分からない)

・ 有権者側に問題がある(例:面倒だから)

といった3つの視点から見ることができます。

政治家側だけががんばったとしても、投票率は上がらないでしょう。

有権者側も、そして選挙を行う選挙管理委員会や投票率向上を目指し活動しているNPO等も、一緒に活動しなければ、投票率は上がらないでしょう。

この記事を読んでくださっている皆さん、まずは皆さんが投票に行っていただくことから、お願いしたいと思います。

増沢諒:食べる政治代表

1988年長野市出身。

早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。

ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。

2014年マニフェスト大賞受賞。

Twitter:@ryo_masuzawa

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