タイの生命保険会社が10月24日にYouTubeに投稿した広告が、「考えさせられる」「涙が止まらない」などととネットで話題だ。
食事中もスマホいじりをやめない息子に、何度も「ご飯だよ」と声を掛ける母親。その指摘を、ウザったそうに聞いていた少年は、食事を始める代わりに、「お母さんは、ブロックチェーンって知ってる? 量子コンピュータのことは?」などと、母親に詰問する。
質問に窮した母親を見て、少年は不機嫌な顔でブロックチェーンとは何かを説明し始める。そしてさらに、「デジタル・ツイン・アルゴリズムのことは知ってる?」と、母親を追い詰める。
母親は、悔しそうに、拳を握りしめる。それでも気丈に、彼女が持っている知識を話し始めた。
それは、少年と自分に関することだった。
「私が知っていることは、一生懸命働くということだけです。お金を稼ぎ、食料を買う。
私が知っていることは、あなたに乳製品アレルギーがあること。そして、あなたが生後2カ月の赤ちゃんのときに、発作が起こったこと。
雷が鳴ったときに、あなたは体が固まって息ができないくらい怖がったこと。
私が知っていることは、自分の子供が高いレベルの学校に進学できるよう、私は一生懸命働かなければならないことだけです」
そして母親は、「食べないの?」と声を掛ける。少年は、今度は出された魚料理見て「骨がたくさんあるよ」と言う。母親が取り分けて少年の皿に乗せると、少年は黙って食べ始めるのだった。
実はこのCMには、親子の会話音声がない、別のバージョンが存在する。
「近い将来、すべてが変わる。
人生も、変わるだろう。
その日がきても、人生を大切に」
いずれの動画も、最後に「人生を大切に」と、視聴者に呼びかけている。
どちらの動画も「私も同じように両親を馬鹿にした経験がある」「考えさせられた」などと話題を呼び、1つ目の動画は1700万回以上、2つ目の動画は200万回以上再生されている。