外出禁止で人がいなくなった街が、ゴーストタウンならぬゴート(ヤギ)タウンになっている。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、原則として外出を禁止したイギリス。
ウェールズの街ランディドノーでは、野生のヤギの群れがやって来て街を我が物顔で歩き、垣根や花を自由に食べている。
BBCによると、群れは街の近くにある岬に住むヒマラヤヤギで、約120頭ほどいると見られる。
町会議員のキャロル・マルビ氏はBBCに、通常はヤギたちは天候が悪い時でない限り街にやってこないと説明する。
「ヤギは、好奇心が強い生き物です。(人の姿がないことに気づいて)一体何が起こったのだろうかと思ったのではないでしょうか」
「人間が誰もいなかったので、街を乗っ取ろうと思ったのかもしれませんね」
ヤギたちは地元の人にとって、窓から眺められる「無料のエンターテインメント」にもなっているという。
地元の新聞「マンチェスター・イブニング・ニュース」で働くアンドリュー・スチュアート氏は、「ヤギ特派員」をTwitterのプロフィールで名乗り出て、現地の状況を報告している。
スチュアート氏のツイートによると、同氏がヤギの群れを目撃したのは3月27日。
街を駆けまわるヤギの群れを見て、初めは幻かと思ったという。
暗闇の中で垣根を美味しそうに食べているヤギを見て、警察も出動。
パトカーに追われたヤギたちは逃げたが、街には人間がいないということを認識したらしく、その後もやって来て自由に草や花を食べている。
街を乗っ取られ、垣根を食べられてしまった人間だが、自由気ままに振る舞うヤギを楽しんでいるようだ。
スチュアート氏の投稿には、「ヤギは可愛い」「人間以上にきちんとソーシャルディスタンスをとっているね」と言ったコメントが並ぶ。
「いい動画ですね!どうやらヤギたちは、すっかり街を仕切っているようですね。私たちは誰に助けを求めたらいいのでしょう?ゴートバスターズでしょうね」