こんにちは、WOMenらぼ編集部の塩冶です。
今回インタビューしたのは、明るい笑顔と関西弁がチャーミングな前田さん(セールス/リーダー)です。
彼女は、リーダーに昇格して半年で大阪から東京へ異動。環境が変わったなかでも、輝かしい実績を次々と残してきました。
たとえば、転勤初月にしてチーム業績をV字回復、そして達成へ導いたり。チームメンバーを「事業部新人賞」へ輝かせたり。しかも、常にポジティブで楽しそう!
ただ、本人に伺うと「正直、失敗ばっかりですよ。今でも手探りで・・・」 と意外な返答も。前田さんはどうしてリーダーになったの?そしてどうやって成果を出せるチームにしていったの?率直な疑問をぶつけてみました。
「私に “リーダー” は向いてない」「メンバーとの接し方に悩んでいる」という方、必見です!
寝耳に水の打診。頼られるのが嬉しくて快諾
─リーダーに挑戦したきっかけは、上司からの打診だったそうですね。とくに躊躇はなかったのですか?
「やります!」という感じでした。元々興味もあったし、頼ってもらえてると感じて嬉しかったんです。
新しいことがしたかった、というのもあるかもしれません。リーダーになれば関わる人も変わる。マネージャーなど、上の立場の人と近くで仕事ができる。勉強になるし、新鮮に感じるんだろうなと思ったので、前向きでした。
―「自分にリーダーができるのか、自信がない」という人も少なくないですよね。自分の目標も追いつつ、メンバーを育成したり組織について考えたりと、やることも大きく変わる印象があります。
もちろん私も自信があったわけではないです(笑)ただ、在籍歴が長くなるにつれて後輩に何かを教えることも多くなっていて。
「こういう情報を、私も入社時に知りたかったな」と思うことも結構ありました 。だから「学んだことをちゃんと伝えていきたい」という気持ちが大きかったのかもしれません。それが、自分なりにできるところなのかなと。
リーダー着任、出まくるボロ。「自分ださい…」と絶望
─前田さんチームは成果も出しているし、いつも楽しそうですよね!理想のリーダーだなと感じます。
そんなことないです、最初は失敗ばかりでしたよ。
まず第一に、はじめはぜんぜんリーダーとして慕ってもらえなくて。今振り返ると私は “デキるリーダー風” に「あれやって、これやって」ってメンバーに指示していたんですよね。
そんな感じだから、メンバーのみんなも楽しくなさそうで。私もどんどんボロが出て思うようにいかなくて、毎日のように「もう~!」と焦ってました。勢いよくやってみたはいいけど、全然リーダー出来ないやん、私。ださー!って(笑)。
このままだとメンバーにいい影響を与えられないし、自分自身、成長できないんだろうなと。これは姿勢を変えなきゃいけないと思って、理想像を追いかけるのをやめました。
「背伸びしない」リーダーになろう
─どんな風に切り替えられたんでしょう?
かっこつけない。出来ないことは「出来ない、助けてほしい」って言っちゃう。
実は、はじめすごく構えていたんです。“リーダーたるもの、堂々としていなければいけない”というような理想像があって。
でも、なんというか・・・自分を客観的にみたら「今の自分で出来ることには限界がある」とわかった。そこで変なプライドは捨てました。何が出来て、何が出来ないのか。出来るところを伸ばしていこうと。
同時に、出来ないところを改善しなきゃ、どうしよう…と思った時に「あれ、この部分はメンバーの○○さんが得意だよな」って気づいたんです。そこから他のメンバーの良いところもどんどん見えるようになってきた。
ただ、メンバーと話していると、みんな自分に厳しくて。「あれが出来ませんでした、これが反省です」って、出来ていないことばかりに目が向いていたんです。
私は素直に「え、もっといっぱい出来てるで」って思って。絶対成長してるのに、気付いてないのもったいないな、と。そこから、メンバーとの接し方も変わっていったように思います。意識して、メンバーのことをめちゃくちゃ褒めるようになりました。
チームみんなの表情が変わってきた
メンバーを褒めるようになってから、少しずつみんなの顔が変わっていきました。「出来てるんだ、自分」って自信を持てるようになったみたいで。
仕事をする時間って長いじゃないですか。だから出来ていることに対して目を向けて、伸ばしていってほしい。そうすればきっと楽しくなるんだろうなって思います。
─楽しく前向きに働いてほしい、という思いが強いんですね。
そうかもしれないですね。前職のアパレル時代に学んだことが大きくて。にぎやかな店舗はお客さんもたくさんいらっしゃるし、服もよく買っていただけるんです。そうすると、スタッフも自然とポジティブになれて、良い循環がうまれていくんです。
逆に、スタッフが楽しく働いていないとお店の雰囲気が悪くなる。お客さんも入りづらくなってしまう。だから、みんなが楽しく働ける環境ってとても大事なんだなって。
そういう環境が作れるように、まずは相手の話を聞く。良いと思ったアイディアはどんどん取り入れます。具体的に心がけているのは、「あなたはどう思う?」ってメンバーに聞くことです。「私はこう思ってるよ、ちなみにどう?」という感じで聞いて、意見を引き出す。そこでメンバーが話してくれる内容って、すごく学びになるんです。
だからそこでも素直に、「そういうふうに考えてるんだ。すごいな、私はそんなふうに考えられなかったよ」って言っちゃいますね。そうすると、「自分の考えは間違ってなかったんだ」とか、「これって良い気付きなんだ」という自信に繋がるのかなと思います。
メンバーにはのびのびと発言してほしいし、リーダーを恐れて間違いを隠すような関係性にはしたくない。お互いに「すごいね」とか、時には「それは違うで」って言えるようなチームでありたいなと思いながら向き合っています。
リーダーは楽しい
メンバーがみるみる成長していく姿や、楽しそうにしている表情を見ると、「楽しい!」って思いますね。「あのアドバイスが効いたのかな」と嬉しくなったり。
自分のことだけだったら、「お客さんにうまく提案できなかった、しゅん・・・」と落ち込む日もある。ただ、チーム全体で見れば、メンバーの分だけ喜びポイントがある。日々「すごいな!やったやん!」って、嬉しい気持ちになれるんです。
―すてきです…!最後に、前田さんが考えるリーダーってなんだか、教えていただけますか?
私自身、スキルやテクニックで伝えてあげられることは少ないかもしれない。でも、それだけがリーダーの姿じゃないと思っていて。
会社って組織として動いていて、自分が出来ないことを他のメンバーが出来て。みんなで目標に向かって進んでいる。
そういう仲間意識、楽しく仕事ができる環境を作るみたいなところが、私なりの「リーダーとしてやりたいこと」なんじゃないかなと思っています。
【編集後記】
はじける笑顔と柔らかい雰囲気が、とにかくすてきな前田さん。
言葉の端々から「1人ひとりの長所を伸ばす、個が強いチームにしたい」「みんなが楽しく健やかに仕事に向き合える環境を作りたい」という芯の通った想いを感じました。
今まで乗り越えてきた壁についても楽しそうにお話してくださり「何かと全力で向きあうことって、本当に素敵なことなんだ…!」とも。前田さんから、前向きなパワーをたくさんいただきました。ありがとうございました!
取材・文 / 塩冶 恵子
編集・撮影/平野 潤