LACで平日のライフスタイルに変化が生まれる
木曜日の朝。
いつもなら都内を走る満員の通勤電車に揺られている頃だが、この日私がいたのは伊豆半島・下田のビーチ。
東京ではできないであろう、サーフィンの「朝活」にチャレンジした。
下田にオープンしたばかりのリモートオフィス「LivingAnywhere Commons(LAC)」を体験する企画の2日目。
前日、LAC主催の交流会で地元の人からサーフィンのスクールがあることを教えてもらい、出勤前、海に立ち寄った。
空も海も真っ青。
気温もぐんぐん上昇し、ウェットスーツ姿の私はすでに汗びっしょりだ。
「早く海に入りたい」。はやる気持ちを抑えきれずに、サーフボードを抱えて海へと向かう。サーフィンは過去数回やったことはあるが、素人同然。
パドリングの状態からボードに立ち上がろうとするが難しく、何度もひっくり返った。「難しい!」。心が折れそうになりながらも、ついに「波乗り」に成功。
一瞬ではあったが、海の上を滑走するような浮遊感が味わえて気分は最高だった。
サーフィンを2時間ほど楽しんでリモートオフィスがあるLAC伊豆下田へ。車で10分ほどの近さで、これまた最高だ。
夏晴れの下、朝から体を動かしたおかげですっかりリフレッシュした私は、仕事もはかどった。
この日は東京のオフィスにいる同僚と打ち合わせがあったが、WiFiが完備されているのでインターネットを使ったビデオ通話で支障なくコミュニケーションが取れた。
いや、むしろ朝活のおかげだろうか、いつになくいいアイデアを連発するなど、この日の私は「キレッキレ」だった。
いつもより仕事も早く終わったので、オフィス横にあるかき氷店で一息つくことに。
「下田南豆製氷所」で、聞くところによると、かつては下田の水産業を支えていた製氷所を改装してオープンしたのだという。
歴史の息吹を感じる。店主の平山奈見子さんとの会話も弾む。
元々介護の仕事をしていたが、下田の伝統を残しつつ、新たな魅力やにぎわいを生み出したいという地元愛が募り、かき氷店を始めたという。
そんな思いはメニューにも反映され、かき氷には地元産の果物がトッピングされ、特産品のところてんを使った別のデザートも並ぶ。
「これまでは地元の中だけで完結していた仕事が、いまや外部との交流やつながりによって新しい可能性が生まれてくるようになった。ワクワクしますね」平山さんはLACにそう期待を込めた。
朝からサーフィンをして仕事を手早く終わらせ、地元の人と会話を楽しみながらかき氷をほお張る。
東京では決して味わえない日常を、また1つ体験した。
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