クウェートのストライキで原油生産が3分の1に 世界第7位の産油国

クウェートで石油労働者の無期限ストライキが発生し、原油生産量が激減しています。

クウェートで石油労働者の無期限ストライキが発生しています。

クウェート政府は、このところの原油価格の下落で財政が苦しくなったので、公共セクターの給与カットならびに福利厚生のカットを打ち出しました。

これに抗議して1万3千人の石油労働者組合メンバーのうち7千人がストライキに参加しているそうです。

(ミナ・アル・アハマディのKNPC本社前のストの様子 写真出典:AP)

OPECによるとクウェートの石油生産は312万バレル/日から110万バレル/日に減少しているそうです。クウェートの石油生産は国営川上企業、KOC(Kuwait Oil Company)が行っています。

ちなみにクウェートが世界の原油生産高に占めるシェアは2014年の時点で3.6%、世界第7位でした。

またクウェートの精油所のアウトプットは通常の93万バレル/日から52万バレル/日に減少しています。クウェートの石油精製は国営川下企業、KNPC(Kuwait National Petroleum Company)が行っています。

KOCとKNPCはリタイアしたベテランに呼びかけて生産の維持、ならびに精油所がストップすることを防ごうとしていますが、石油の生産ならびに精油所の運転は高スキルを要求されるため、操業を続けるのはかなり困難だと思います。

また産油国の多くはクウェートが直面しているのと同様、もしくはそれ以上の財政危機に直面しており、同国が打ち出したような切詰め策は他の国でも導入する必要が叫ばれています。すると今回のような石油生産のストップは、他の国でも起こりうるシナリオと言えるでしょう。

(2016年04月19日 「Market Hack」より転載)

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