韓国中部の地方都市・大田(テジョン)の地下鉄でかわいらしい姿が捉えられた。大田都市鉄道公社は、11月1日から車内すべての妊産婦の優先席にクマのぬいぐるみを置きはじめた。
かわいいのクマの人形が「ここは、妊産婦配慮席です」と教えてくれている。
妊産婦の優先席「妊産婦配慮席」
写真は2015年、ソウルの地下鉄の「妊産婦配慮席」のデザインがリニューアルされた時の様子だ。乗客が一目でわかり、席を譲れるようにと座席、背もたれ、床をピンク色にしてある。床には「明日の主人公のための席です」とのフレーズが書かれている。
大田都市鉄道公社は2011年、韓国の鉄道会社のうち、初めて妊産婦の優先席を設置した。
クマのぬいぐるみを置くキャンペーンは、2016年の「妊産婦の日」(10月10日)に合わせた、保健福祉部(日本の厚生労働省にあたる)とソウルの地下鉄公社との共同のもので、話題となった。
このアイディアは、光云大学のイ・ジョンヒョク教授のプロジェクトから生まれた。特に妊娠初期だと見た目だけではわからず、なかなか譲ってもらえない問題がある。
こうした問題を解決するのに、常に席をあけておくためクマのぬいぐるみを置いておこうという発想に至ったという。妊産婦自身が優先席に座っている人に席を譲ってと頼んだり、気を遣う必要もない。
大田の地下鉄でもクマのぬいぐるみ。
大田都市鉄道公社の関係者は、中央日報に次のように語った。
「これまで妊産婦席に男性が座るなど、しっかりと守られておらず、親しみのあるテディベアを活用して妊婦に配慮する文化を広めることにしました」
大田都市鉄道公社は、妊産婦であることを知らせるために席の色をピンクに変え、車内の床に案内ステッカーを貼るなど、さまざまな努力を重ねてきた。
しかし、なかなか配慮が根付かなかったため、地域の女性専門病院と協力して、車内すべての妊産婦の優先席(84席)にクマの人形を置くことになった。
キム・ミンギ公社社長は「テディベア設置は市民の妊産婦に対する認識の転換と妊産婦配慮文化の定着に大きな力になるだろう」と話した。(連合ニュース 11月1日)
ハフポスト韓国版の記事を翻訳・編集しました。